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Game Graphics Studio

最新のゲームタイトルにおける画づくりを徹底的に解説

モンスターハンターポータブル 3rd

多様なプラットフォームで展開され、特にPSPにおいてはハードを牽引していると言っても過言ではない『モンスターハンターポータブル』シリーズ。待望の新作の開発過程を探る。

『モンスターハンターポータブル 3rd』キービジュアル

© CAPCOM CO., LTD. 2010 ALL RIGHTS RESERVED.

前作の資産を有効活用する工夫

大人気シリーズの3作目となる本作のビジュアルコンセプトには、今までのモンスターハンター(以下MH)シリーズにはない新たなビジュアルを求めて、「和」のテイストが取り入れられた。これをベースにした上で、常にシリーズを通して受け継がれている「文化が入り混じった雰囲気」を出すためにアジアのテイストを加え、背景やハンターのコスチュームデザインなどに意識して反映させていったという。この考え方はモンスターのデザインにも取り入れられており、「和のモンスター」というキーワードから連想して、妖怪のようなディテールを持ったデザインも検討されている。

また、本作では新たに登場するモンスターなどに、据置機の『モンスターハンター3(トライ)』(以下MH3)の要素も取り入れながら開発が行われている。これはシリーズを通して登場するモンスターの形状や動きなどを継承するためだが、据置機であるWiiをプラットフォームとするMH3のデータを直接本作で使用することは、ハードの処理能力や容量的な問題から不可能である。そこで開発スタッフは様々な工夫を凝らしてこの問題の解決に取り組んだ。例えばモデリングにおいては、ポリゴン数の削減は言うに及ばず、テクスチャの減色を通常256色で行うところを色味が少ないものに関しては16色で行なったり、16色に減色することによって稼いだメモリを解像度に振り分けてサイズを大きく取ったりしている。また、アニメーションにおいては大胆にもボーンの数を減らしてメモリの消費を抑え、エフェクトにおいては計算負荷を軽減するためにモデルの差し替えによる表現が採用されている。

こうしたデータの最適化を進めつつ、同時にPSPでMH3のようなリッチなビジュアルを目指す試みも行われた。これは、据置機と携帯機の違いがあっても、シリーズ作品である以上やはりビジュアルを比較されてしまうためとのことで、背景においてはMH3と同レベルの量感を求めてギリギリまでプロップを配置して画面を豪華にしたり、Wiiの機能で作られた質感を別の手法で再現したりして、雰囲気を近づける努力が行われている。なお、本作では開発の冒頭において各セクションへのメモリ配分を検討し直したそうで、エクスポータ周りの改善などと相まって、各セクションとも前作『モンスターハンターポータブル 2ndG』よりも使用できるメモリが増えているとのこと。

それでは、開発スタッフが行なった創意工夫の数々をご覧いただこう。

TEXT_久代忠史
PHOTO_CGWORLD編集部

『モンスターハンターポータブル 3rd』01 『モンスターハンターポータブル 3rd』02 『モンスターハンターポータブル 3rd』03 『モンスターハンターポータブル 3rd』04

© CAPCOM CO., LTD. 2010 ALL RIGHTS RESERVED.

『モンスターハンターポータブル 3rd』パッケージ画像

モンスターハンターポータブル 3rd

発売・開発:(株)カプコン
発売日:発売中
価格:5,800円
Platform:PSP
ジャンル:ハンティングアクション
『モンスターハンターポータブル 3rd』公式サイト
© CAPCOM CO., LTD. 2010 ALL RIGHTS RESERVED.

『モンスターハンターポータブル 3rd』開発スタッフ

開発スタッフ

写真左から
背景リード・末吉英了氏
エフェクトリード・疋田裕一氏
モーションリード・中井真也氏
モデリングリード・戸田勝己氏
(以上カプコン

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CGWORLD 2011年2月号 vol.150

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