市税を着服したとして岡山市職員(56)が業務上横領罪で起訴された事件を巡り、柴田健二議員(新風会)が3日、職員が担当した米生産調整に関する調査員の賃金の支払いに不正があり、架空入札を行った疑いもあると指摘した。市議会個人質問で述べた。
質問で、柴田議員は、職員が旧福田支所産業建設課主任だった97年、米の生産調整に関する調査の賃金が実際の期間より多く申請されていたと指摘。「ある調査員に聞いたら2日で終わったと話したのに(市の内部書類には7人で)延べ53日分の賃金が記入されていた」と話した。当時、市は調査したが本人には確認しなかったという。私用の写真現像約14万円分を公費で賄った疑いがあるとも述べ「不正の疑いがあるのに野放しにした」と市を批判した。
また、職員は、仕事と関係ない写真の現像2万3987円を依頼し、納入伝票に私用のボールペン1万3596円が含まれていたとして、90年に文書訓告処分を受けたことも明らかになった。市人事課は「文書訓告は注意の扱いなので発表しなかった。議員の指摘は文書を廃棄しているため事実かわからない」としている。【椋田佳代】
毎日新聞 2010年12月4日 地方版