2010年12月25日3時1分
菅直人首相がたちあがれ日本に対し、連立政権への参加を打診したことが明らかになった。来年の通常国会に向け政権基盤を強化するための内閣改造を視野に入れ、平沼赳夫代表を拉致担当相で入閣させることを要請した。ただ、たちあがれ日本内では連立に反対する声が強い。
首相が内閣改造を視野に入れたことで、参院で問責決議を受けた仙谷由人官房長官の進退が焦点となる。民主党の岡田克也幹事長は24日の記者会見で内閣改造について「通常国会をどう持っていくか、首相といろいろ意見交換している」と語った。
首相はこれまで公明党や自民党との連携で、ねじれ国会を乗り切ることを検討してきた。だが両党は対決姿勢を強めており、参院での過半数確保に少しでも近づくことをめざし、小政党との連携を模索。新党改革の舛添要一代表とも9日に会談し、舛添氏の入閣も検討している。
首相は11月18日にたちあがれ日本の与謝野馨共同代表と会談して「連立を組む用意がある」と打診。今月4日にも極秘会談し、平沼氏の入閣を求めた。与謝野氏は6日に平沼氏に報告。連立入りへ本格検討に入っていた。
一方、首相の指示を受けた岡田幹事長も22日、平沼、与謝野両氏と極秘に会談。連立に向けて社会保障財源の安定化などの政策について意見交換した。
ただ、たちあがれ日本は民主党政権打倒を掲げて4月に結党した。平沼氏は24日に園田博之幹事長らに初めて伝えたが、園田氏は朝日新聞の取材に「連立はありえない」と強く反発。党内がまとまるかは微妙だ。
たちあがれ日本は衆参6人で、連立入りしてもねじれ国会は解消されない。首相は24日にあった内閣記者会とのインタビューで、連立打診について「正式に申し入れた形になっているとは承知していない」と述べるにとどめた。
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