日立製作所など日米英チェコの共同チームは、電流を流さなくても情報を処理できる新原理のトランジスタを試作した。エネルギー損失が激減し、超省エネ電子機器の開発へ道を開く。小さな電池でいつまでも使えるパソコンや携帯電話、ほとんど電力を消費しないテレビなどにつながる可能性がある。成果は24日付の米科学誌サイエンスに掲載される。
日立ケンブリッジ研究所、チェコの科学アカデミー、英ケンブリッジ大学、英ノッティンガム大学、米テキサスA&M大学の成果。
一般の電子素子は信号を送るのに電流を使うが、電気抵抗があり、熱による損失もあるためエネルギーの無駄が大きい。日立などは電流の代わりに電子の磁石としての性質「スピン流」を伝えることに成功した。発熱に伴うエネルギー損失がなく、消費エネルギーを大幅に減らせる。
スピン流の電子機器への利用は「スピントロニクス」として国内外で注目される先端研究。1990年に原理が提案されていたが、実際にスピン流の制御と観測ができたのは初めて。
日立製作所、トランジスタ、携帯電話、パソコン、ケンブリッジ大学、スピントロニクス、チェコ、ノッティンガム大学
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