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バックミラー:’10兵庫 たこフェリー休止 /兵庫

 ◇再開見通し、霧の中 明石大橋割引が打撃

 あっけない幕切れだった。11月15日を最後に運航を休止した「明石淡路フェリー」(愛称・たこフェリー、明石市)。従業員は全員解雇され、保有していたフェリー3隻はすべて売却された。航路継続は「淡路ジェノバライン」(淡路市)が約束し、来春の運航再開を目指しているが、船舶確保などの課題があり、見通しは瀬戸内海の濃霧のようだ。

 「たこフェリー」の取材を始めたのは7年半前。明石市と淡路島の自治体などでつくる第三セクター会社が運営していた。明石海峡大橋開通(98年)後に会社を設立し、00年7月に「明石-岩屋航路」を引き継いで、橋の通行料をにらみながらなんとか黒字経営を続けていた。

 岡山、広島での取材経験があって本四架橋の神戸・鳴門、児島・坂出、尾道・今治の3ルートが開通すれば競合するフェリーは廃止されると思っていただけに「たこフェリー」の頑張りには敬服した。経営努力もあった。淡路島の施設とタイアップしたり、自治体の協力で小学生の無料パスも配布。「パパたこ」「ママたこ」など、「たこファミリー」のキャラクターを作り、オリジナルのグッズも販売し、利用促進を図ってきた。

 しかし、段階的に拡大された橋の通行料の割引はこたえた。05年度には、燃料油の高騰もあって赤字に転落。民主党の政権公約の「高速道路無料化」に対抗して、自公政権が09年3月に導入した乗用車の「休日上限1000円」はフェリーの利用者を奪った。従業員の給与やボーナスなど人件費を削減し、深夜便を休止した。

 「橋の通行料は受益者負担が原則、膨大な建設費の借入金はどうなるのか」と疑問の声もあったが、来年3月までの暫定料金の「上限1000円」は継続される見通しだ。淡路島の多くの島民も無料化を求めている。

 一方で「フェリーを存続してほしい」「たこフェリーは明石海峡の観光資源になる」との声もあるのは確かだ。しかし、観光主体で利用者が戻るのか、橋の通行料に対抗する運賃で採算がとれるのか。その声に応えるにはあまりに厳しすぎる環境だ。【南良靖雄】

〔神戸版〕

毎日新聞 2010年12月26日 地方版

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