ネットで読書、高校生の3割 県学校図書館協議会調査 2010/12/24 14:45
徳島県内の高校生の間で、携帯電話やパソコンを使った電子書籍の利用が広がっている。県学校図書館協議会高校部会の調査では、毎日のようにこれらの端末機で小説や文芸作品などを読む生徒は34%を占めた。1時間以上読書している生徒についても、本より画面で読んでいる生徒が多く、新たな読書スタイルが普及しているようだ。
調査は6月、県内の公立・私立の計45高校の2年生2513人(男子1188人、女子1325人)を対象に行った。「携帯電話やパソコン上に掲載されている本を1日何分ぐらい読むか」との質問では「1時間以上」が10%、「30分~1時間」が8%、「30分未満」が16%だった。
一方、本を手にして1日に1時間以上読書するのは7%。電子書籍の割合が多く、高校生の読書の形態の変化がうかがえた。
ケータイ小説を読む名西高校3年の新居香奈さん(18)は「読み始めると止まらなくなる」。紙の本も好きという木下真緒さん(18)は「読書時間は紙の本より携帯を使うときの方が長い。5~6時間続けて読んだこともある」と話す。同校によると、最近は携帯電話で読んだ後、本を校内の図書館で借りる生徒もいるという。
全国的にも若年層に電子書籍の利用が広がっているとのデータがある。ネットマイル社(東京)が7月に電子書籍利用者500人に行った調査で「電子書籍にかける1カ月の平均金額が1000円以上」と答えた人の割合は50代以上が4・8%、40代が10・3%、30代が10・9%、20代以下が17・7%-と、若い世代ほど高かった。
県学校図書館協議会高校部会の今回の調査では「本を読むのが好き」という高校生が65%に上り、5年前の同様の調査に比べ増えていた。携帯電話やパソコンによる読書が後押ししている可能性もあり、同部会は生徒の読書形態がどう変化していくか注目していく。
【写真説明】ケータイ小説を読む高校生=石井町石井の名西高校図書室