2010年12月14日
米アップルのソフト配信サイト「アップストア」で作家の村上春樹さんや東野圭吾さんらの小説の海賊版が売られた問題で、国内の459出版社が加盟する日本書籍出版協会(書協、理事長・相賀昌宏小学館社長)など出版関連の主要4団体が13日、アップル社を強く非難し、改善策を取るよう求める「声明」を出すことを決めた。「著作権侵害物の配信は違法行為の幇助(ほうじょ)」などとしている。4団体は14日にも、この問題でアップル社の日本法人アップルジャパンに協議を申し入れる。
声明を出すのは書協のほか、96社が加盟する日本雑誌協会(理事長・上野徹文芸春秋会長)、41社加盟の日本電子書籍出版社協会(代表理事・野間省伸講談社副社長)、39社加盟のデジタルコミック協議会(理事長・入江祥雄講談社取締役)。4団体が名を連ねたことで、日本の出版社の「総意」を強調する。
声明では、アップストアサービスにおいて「明白な著作権侵害行為が横行している」と明記した。アップストアの売り上げの3割はアップルに入る仕組みになっているが、声明では「違法配信で利益を得ているのに販売数の開示もしていない」と批判し、情報開示を求めた。
さらに、アップル社はデジタル海賊版に対する削除要請窓口、削除手順も明示していないとして、防止策を策定するよう求めた。声明は英文もつくって、欧米の報道機関などにも公表する方針だ。
書協などによると、アップルジャパンは出版各社からの要請に対して「米国のアップル本社で検討します」といった回答を繰り返しているという。出版社側は「日本で、日本語の電子書籍などを提供するサービスを行っている以上、アップルジャパンが責任ある対応をするべきだ」として、協議を申し入れることを決めた。「出版社側の協力が必要なら、サポートは惜しまない」としている。
この問題について、アップルジャパンは朝日新聞の取材に回答していない。
著作権に詳しい福井健策弁護士は「現状のアップストアは事実上、海賊版でも売れる投稿サイト。最低限の審査や事後対応の洗練が不可欠で、このままでは著者など権利者側がアップルを訴える可能性もある。出版社側がはっきりと対処を求める意味は大きい」と話している。(西秀治)
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