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【米国債市況】雇用統計控え続落、10年債利回り7月以来の高水準(12月2日)

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【ニューヨーク】2日の米国債市場では、11月の米雇用統計を控え、予想を上回る好調な住宅販売件数で米経済の明るい見通しが示されたことから、投資家がリスク資産に資金を振り向けるのを後押しし、米国債価格は下落した。

ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)が6,000億ドルの量的緩和の一環として、償還期限を8〜10年後に迎える米国債を83億1,000万ドル買い入れたことから、下げ幅は限定的となった。

利回りの上昇は、今後はFRBの下支えで利回りが一段と低下すると予想している新たな買い手も引きつけた。

売りのピーク時には、指標の10年債利回りが3.033%と7月後半以来初めて3%の水準を突破した。

米国債の供給圧力も高まっている。米財務省はこの日、来週の米国債入札発行額を発表した。来週は3年債320億ドル、10年債210億ドル、30年債130億ドルの計660億ドルを発行する。

1日発表された米11月のADP雇用推計が予想を上回ったことから、雇用統計への楽観的な見方が高まっている。また、2日発表された10月未成約中古住宅販売指数など、米国内外の多くのほかの経済指標が予想を上回る好調な内容となっている。

これを受け、世界経済がユーロ圏のソブリン債危機のストレスに耐えうるとの見方が広がった。結果として米国債は安全投資先としての妙味をやや失った。

強気の経済指標を受け、FRBが米国債買入で6,000億ドルを全額使い切る必要性についての議論も高まっている。FRBが11月初めに同制度を導入して以来、10年債利回りは40bp近く上昇した。

フィラデルフィア地区連銀プロッサー総裁は2日の講演で、FRBが6,000億ドル全額を使い切る可能性が高いが、今後の経済指標によっては規模を変更する用意があると述べた。

また別の講演でセントルイス地区連銀ブラード総裁は、大規模な米国債購入を行っても米経済に対してあまり大きな効果はない可能性もあり、そうであればFRBは購入を中止する準備をしておく必要があると述べた。

価格   前日比 利回り
2年債 99 29/32 - 1/32 0.539%
5年債 98 19/32 - 6/32 1.668%
10年債 96 26/32 - 8/32 2.994%
30年債 99 26/32 - 9/32 4.260%
(米東部時間2日午後5時)

(ダウ・ジョーンズ)

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