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【主張】子ども手当 少子化対策の設計が先だ

2010.12.5 02:41
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 来年度の子ども手当について、3歳未満に限り、7千円上乗せの月額2万円とすることで関係5閣僚が合意した。3歳以上は1万3千円で据え置く。

 民主党は参院選マニフェスト(政権公約)で2万6千円の満額支給を断念し、「1万3千円から上積み」と修正した。厳しい財政を考えれば当然だ。

 だが、3歳未満に限定し上げ幅も7千円に抑えたといっても、引き上げには約2500億円を要する。来年度予算でも国債発行額が税収を上回る見通しで、そんな余裕はないはずだ。適切な額とはとてもいえまい。

 いま日本が問われているのは、少子化にどう歯止めをかけるかだ。一律に配る子ども手当は政策効果に疑問が残る。

 ただ、配り方や子育てサービスなど他の政策との組み合わせを工夫すれば、有力な少子化対策の一つになり得る。第2子以降、子供が増えるほど加算するといったことも検討すべきだ。保育所整備など子育てサービスの拡充を含めた一体的な少子化対策としての制度設計を急ぐ必要があろう。

 だが、それも財源があっての話だ。民主党は「予算の無駄の排除などで財源を捻出する」との大見えを切ったが、達成できない以上、子ども手当は身の丈にあった支給額とすべきだろう。菅直人政権は将来世代へのツケ回しを少しでも減らすよう、むしろ額の引き下げや所得制限の導入を検討すべきではないのか。

 3歳未満のみを増額にする根拠もよく分からない。政府・民主党は、昨年に決定した扶養控除廃止などの影響で、1万3千円のままでは3歳未満の子供がいる家庭の多くが、実質的な手取り額が減ることを理由に挙げている。

 だが、手当は中学卒業まで支給される。子供がトータルで受け取る額を考えれば、3歳未満にのみ配慮する必要はないのではないか。部分的なチグハグをその都度、取り繕っていたのでは制度理念がますます不明になる。

 母国に子供を残してきた外国人にまで支給する欠陥は改められるが、そもそも十分な制度設計をせずにスタートさせたことに問題があった。毎年制度が変更されるようでは、子育て世帯も将来の計画を立てづらい。少子化対策は待ったなしだ。国家戦略を立てて取り組まなければならない。

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