政府は一般会計の総額が過去最大の92兆4116億円に上る来年度予算案を、24日、決定しましたが、借金に当たる国債の発行額が税収を上回る異例の状況が続くなか、財政再建に向け、どれだけ具体的に取り組むことができるのかが課題となります。
政府は、一般会計の総額が今年度の当初予算を1100億円上回って過去最大の92兆4116億円に上る来年度予算案を閣議決定しました。この予算案と予算の財源を確保するのに必要な関連法案は年明けの通常国会に提出されますが、まずは国会審議が焦点となります。衆議院と参議院の多数が異なる、いわゆる「ねじれ国会」のなか、野党が多数を占める参議院で関連法案が否決された場合、与党は衆議院で再可決するのに必要な3分の2以上の議席を持っていないことから法案が成立せず、予算の執行に影響が出ることも懸念されます。さらに今回の予算案では、子ども手当の増額や法人税の減税などに必要な財源を確保するため、国債の発行額は過去最大だった今年度とほぼ同じ44兆2980億円に達し、2年連続で借金が税収を上回る異例の事態となっています。これについて、菅総理大臣は、24日夜、内閣記者会のインタビューに応じ「この予算案で財政健全化が十分かと言えば決して十分ではない。今後、2年、3年先を展望し、未来に向かっての方向性を国民に示したい」と述べ、消費税率の引き上げを含む税制の抜本改革について、年明けに一定の方向性を示す考えを明らかにしました。政府・与党は、危機的な財政状況を受けて、税制の抜本改革について、来年半ばにも成案を得るとしており、財政再建に向け、どれだけ具体的に取り組むことができるのかが課題となります。