既に@++さん等でも紹介され、同人誌即売会主催者連絡会も反対声明を出しているが、都の青少年育成条例の改訂案が提示されている。
私の立場としては、改訂案に原則反対である。

@++さんhttp://blog.livedoor.jp/achieves/increment/51793045.htmlが指摘されたように、同人的な見地から見て、会場取得拒否の口実にこの条文が使われかねないという部分が一番大きいだろう。
まあ、マトモに運営やって主催なら、会場との信頼関係や人間関係を上手く築いて対応するだろうし、その位は切り抜けられる力量は持ってるはずだし…
そんな無茶苦茶大きな影響は無いかも知れないが、不安は残る。無いに越した事はない。という意味合いで反対である。
そこら辺は、今日ははしょるが、今後詳しく述べたい。

無論ご意見も大歓迎だが、私からのお願いとしては、改訂案の原文を読んで、何が変わるのかを正しく掴むよう努力して頂きたい、という事。
原文を精読した上でご意見を賜りたいと考える。

というわけで原文に当たれるリンクを少々。

http://fr-toen.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/post-cbc1.html
(こちらの記事上のリンクから辿れます)

山口弁護士のブログも、改訂内容が明示されてます。テキストベースで条文に当たりたい方向け。
「東京都青少年の健全な育成に関する条例の改正案」を見やすくしてみました。
http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/82531/76601/62355893/



さて、今日は都条例の話題とは微妙に外れ、とある署名サイトの話を。
署名サイトと言っても、署名法に定められたフォーマットに拠らず、仮に署名を集めたとしても法的効力は皆無なのだが…それは別の話なので今日は割愛。

世の中には、こんな署名サイトがある。
http://bit.ly/9MoMqB
http://bit.ly/r7IzF

表現規制に反対する署名サイトで、趣旨は理解する。賛成できる点も多い。
趣旨に賛同したい方は、署名されるのも悪く無い。各人各々のお考えに基づく署名行動であり、それは尊重されるべきであろう。
ただし、私は、この署名の趣旨に、どうしても看過出来ない点があり、これに署名する事は決して出来ない。

一番の問題は、以下の請願内容だ。

>3:表現規制を主張する団体に対しては即時解散を命令する

これは憲法で保証されている「結社の自由」の侵害ではないか?
確かに、「表現の自由」を守るのは当然の事だ。だが、それは他に憲法で定められている自由を阻害してまで無制限に認められるべきもなのか?

また、特定言論を持つものの集まりを無理矢理解散させる…何処の特高警察か治安維持法かの世界だが、それは言論の自由の侵害ではないか?
規制を強化せよ、と論ずる事も、憲法で保障されるべき言論だ。
我々とは与しない論だが、自由な言論が保障されるべき我が国においては、その論を唱える自由も保障されてしかるべき。

今回の都条例改訂を「表現弾圧だ」「治安維持法の再来だ」と語る方も一部先鋭派にいらっしゃるようだが、ならば私は、この署名活動の趣旨の方が遥かにあからさまな言論弾圧でヤバくはないのか?と問いたい。


>7:架空創作表現弾圧者監視委員会を設け、創作表現の過剰な規制が行われていないかを監視する

これ、民間の有志がやるのなら良いと思う。
民間の市民活動としてなら、表現規制問題に取り組むに当たっての、一つのアプローチとして認められよう。

ただ、これを政党に請願するという事は、国ないし地方自治体にそれをやってくれという話になる。
規制するのは国や地方自治体。そして、その規制を監視するのもまた、国や地方自治体…?
…一種の自作自演ですねわかります。

端的に申せば、行為者(規制者)と監視者が同一人物じゃ効果無いのでは?監査・監視の類いは内部で実施するより、外部の目を取り入れた方が効果ある。
まだプロ市民が市民団体こさえて監視役を担う方が自然かと思うのだが…?

7は重箱の隅をつつき過ぎの感もあるが、3は明らかにヤバい。明らかに言論の自由、結社の自由の侵害だ。
流石に、表現の自由と引き換えに、言論の自由と結社の自由を犠牲とする事には、私は強い抵抗を感じずにはいられない。