
▲当時の目撃情報をもとに作成した似顔絵。身長160〜170cmぐらいの若い男性。顔にニキビがある、もしくは肌が荒れている
|
【廿日市市】廿日市市上平良で昨年十月五日にあった通称「女子高生殺人事件」から、もうすぐ一年が経過する。捜査本部がある廿日市署は現在まで、市内のJRと広電の五駅に看板を設置する、広電の車内アナウンスで呼び掛けるなど工夫し広く情報提供を求めているが、いまだ犯人検挙にまでは至っていない。事件発生から一年を前に、犯人の似顔絵を入れた大・小ポスターやチラシを刷り、早期解決に向け改めて、活発な動きを見せ始めた。
事件は、昨年十月五日(火)の午後三時ごろ、国道433号線沿いの民家で発生した。被害に遭った女子高校生は、母屋に隣接する離れで何者かに刺され、運び込まれた病院で出血多量で死亡、被害者の祖母も逃走中の犯人に母屋で刺され一時重体となった。刺された場所の離れは、被害者が起居していた。
同署によると、被害者と犯人が離れの中でどういう状況で相対したのか、逃げた犯人が凶器をどうしたのかなど、犯行前後の状況が特定できていない。凶器も「刃物のようなもの」と断定を避ける。中村誠治次長は「地道に捜査しているが、それだけ情報が少ないということ」と苦る。
国道433号線はバスも通る主要道で、連結する西広島バイパスにも近いこともあり交通量は比較的多いが、歩行者は車よりも少ないようだ。朝・夕のラッシュ時より交通量が落ちる白昼の間隙を縫った形になったことも、有力な目撃情報が得られない一因になっている。同署は事件数日後、同時刻にドライバーから聞き込みをする検問も実施した。
事件後、少ない目撃情報から犯人の似顔絵も製作した。似顔絵についての問い合わせは、九月二十日時点で七百十九件。月に十件程度と落ち込んだ時期もあったが、九月に入ってからは二十件前後の情報が寄せられた。現在、捜査本部は六十人体制で動いている。
七月中旬に市内主要駅に設置した看板には、犯人の似顔絵は入れなかったが、新たに製作したポスターには掲載した。電車内吊り広告や大型スーパーへの掲示、新聞折り込みなどを順次実施し、市民の協力を仰ぐ。チラシには、事件が捜査中であることを明記。「どうも気になる人がいる」、「あの時のあんなこと、気になるぞ」、「ひょっとしたら、あの出来事が事件につながっているかな?」といった例を示している。
連絡先は、従来の電話番号に加え、携帯電話のメールアドレスも併記した。被害者の年齢を考慮し、同年代からも気軽に情報を寄せてもらえるようにとの配慮だ。
事件に関する連絡先は、廿日市署TEL(0829)31・0110。Eメールは、hatukaichi-police@docomo.ne.jp。
Copyright© L.co All Rights Reserved.