県警は、携帯電話のメール機能を使って手軽に登山届を提出できるシステムの運用を始めた。登山口などに設置したQRコードを読み取って県警にアクセス、ダウンロードした書式に氏名や登山計画を書き込み、送信する仕組み。
根子岳の大戸尾根登山口の記帳所に設置したQRコード=高森町
これまでは、郵送やファクスのほか、登山口に記入用紙を入れた箱を設置して登山届を出す方式だった。しかし、過去5年間に県内で起きた32件の遭難事故のうち、届けを記入していたのは1件のみと、提出率の低さが課題になっていた。
携帯電話を使った方法は手軽さのほか、後から来た登山者に個人情報を見られずにすむメリットもある。書式を保存しておくと書き換えて何度でも利用できる。
現在、阿蘇高岳・根子岳、市房山、白髪岳など9カ所の登山口にQRコードを設置しているほか、県警ホームページにも表示している。県警は「登山届は、万一の場合の捜索範囲の絞り込みに役立つのでぜひ利用してほしい」と呼び掛けている。書面による提出も従来通り続ける。(大倉尚隆)
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