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白鵬、稀勢の里に“お返し”張り手連発

 激しいぶつかりげいこで、土俵上に倒れ込む稀勢の里の前で、仁王立ちする白鵬=両国国技館(撮影・吉澤敬太)
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 激しいぶつかりげいこで、土俵上に倒れ込む稀勢の里の前で、仁王立ちする白鵬=両国国技館(撮影・吉澤敬太)

 日本相撲協会が23日、東京・両国国技館で横綱審議委員会によるけいこ総見を行った。6連覇を目指す横綱白鵬(25)=宮城野=は九州場所で連勝を止められた関脇稀勢の里を最初のけいこ相手に迎え、張り手を連発する激しい取り口で九州での借りを返した。この日は14番とり13勝1敗とまずまずの内容。尊敬する元横綱大鵬の納谷幸喜さん(70)からは横綱としての心構えをまとめたメッセージ文を手渡され、充実した1日となった。

  ◇  ◇

 稀勢の里が魁皇に連勝しているところへ、白鵬が割って入った。九州場所で連勝記録が止まった因縁の対決の再現に館内は拍手に包まれた。稀勢の里は立ち合いで突っかけるほど気合が乗っていたが、直後にこわ〜い横綱の“お返し”が待っていた。

 2番続けて取った1番目は、張り手の応酬になった。そのうち白鵬の2発が稀勢の里にクリーンヒット。すかさず左を差して寄り切った。続く1番では強烈な右が稀勢の里の顔面をとらえた。最後は体全体を使っての押し倒し。ぶつかりげいこでもたっぷりとかわいがり、九州で敗れた借りをしっかりと返した。

 相手を意識していたかと問われた白鵬は「意識していないと言ったらうそになるね」と正直に話した。この日14番取ったうち稀勢の里戦を除く12番は受ける相撲だった。優勝を争った豊ノ島との相撲でも感情を表に出すことはなかった。やはり横綱も人の子。負けた悔しさは隠せなかった。

 感情を表に出すのは若さの裏返しとも言える。そんな白鵬の心を知ってか知らずか、稽古前には2度6連覇をした経験を持つ納谷さんが、スポーツ界、財界など各界のリーダーが発した格言をまとめた文章を白鵬に手渡した。納谷さんは「難しい話はしないよ」と内容については語らなかったが、人間的な成長を期待していることは間違いない。

 納谷さんは6連覇について「何場所も全勝している。横綱なんだし、当然だ」と太鼓判を押した。白鵬は「力はあるし、周りが期待しているし、自分も期待している」と稀勢の里を評価したが、大先輩の期待に応えるために、自分自身にも磨きをかけていく。

(2010年12月25日)

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