日本相撲協会は24日、両国国技館で理事会を開き、横綱白鵬が所属する宮城野部屋の師匠で、07年に愛人とされる女性に八百長を告白したと「週刊現代」(講談社)に報じられた宮城野親方(41)=元十両金親=に、同部屋付きの熊ケ谷親方(53)=元幕内竹葉山=と名跡を交換させ、熊ケ谷親方が新たな宮城野親方として師匠に就くよう勧告したと発表した。しかし、宮城野親方は直後の評議員会を欠席。自身の弁護士に対応を相談しているとみられ、すんなりと師匠交代が進まない可能性が出てきた。
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宮城野親方の不可解な行動に、処遇への不満が満ちていた。理事会後には、協会の議決機関で全員が出席すべき評議員会が予定されていたが、「出ません」と話し、迎えの車に乗り込んでしまった。協会関係者によると「弁護士と相談します」と言い残したという。
理事会では宮城野親方の処遇について(1)主任から年寄への降格(2)熊ケ谷親方と年寄名跡を交換し、師匠も交代することの勧告(3)始末書の提出という3点が議決された。解雇を求める声もあったが、長い話し合いの末に見送られた。名跡交換・師匠交代の勧告は処分ではなく強制力はない。
弁明の機会を与えられた宮城野親方は「(処遇を)真摯(しんし)に受け止めます。協会のために努力します」などと話してはいた。だが、別の出席者は「言葉上はそう話していたけども、腹の中は分からない」としており、理事会が終わるまで「勧告を受け入れる」と明言はしなかった。
経緯説明の会見で、放駒理事長(元大関魁傑)は「(勧告を)受け入れると思っている。手続きは月曜日になるかもしれない」と説明した。熊ケ谷親方は先代の師匠で、師匠を退いた人物を復帰させることは前代未聞の事態だが、「特例になるかもしれないが、竹葉山さんがもともと師匠だった。(以前の交代の際に)彼に落ち度はなかった」と容認した。
宮城野部屋関係者も宮城野親方が師匠交代を渋っていることを認めている。協会は週明け27日に再び理事会を開くことを計画しており、宮城野親方が名跡交換を受け入れなければ、次回の理事会で解雇を含めたさらに重い処分が出る可能性もある。