証人尋問終了２月２８日求刑取り押さえ死審判

　佐賀市内で２００７年９月、知的障害者の安永健太さん（当時２５歳）が警察官に取り押さえられた直後に死亡した問題で、特別公務員暴行陵虐致傷罪に問われた県警の松雪大地巡査長（３０）に対する審判の第１１回公判が２２日、佐賀地裁（若宮利信裁判長）で開かれた。鑑定医と目撃者が証人として出廷した。

　司法解剖の鑑定結果を再鑑定した九州大大学院の池田典昭教授は、安永さんの右耳付け根や首、胸の３か所に、小さな打撲傷があった点について「殴打によるものではないと思っている」などと証言し、一部の傷については「指による圧迫」との見方を示した。

　また、事件当時、現場近くを歩いて通りかかったという男性は「警察官は殴っていなかったと思う」と述べた。

　この日で証人尋問は終了。第１２回公判は来年２月２８日で、検察官役の弁護士が論告求刑し、結審する。