2010年12月21日19時31分
年間約5万人が死亡する心筋梗塞(こうそく)の発症にかかわる二つの遺伝子を、三重大の山田芳司教授(分子遺伝疫学)らの研究グループが発見し、21日に発表した。予防や治療につながる可能性があるという。今週末にも欧州の学会誌電子版に発表する。
心筋梗塞は、血管がつまって、心臓を動かす心筋に血液が届かなくなる病気。発症すると致死率が高く、寝たきりになる人も多い。
山田教授らは、「A」「T」「G」「C」という4種の塩基が約30億並んでつくる「生命の設計図」であるヒトゲノム(全遺伝情報)について、個人ごとの細かな配列の違いに着目した。
日本人と韓国人の計約1万7400人のゲノムを調べた結果、「BTN2A1」という遺伝子の塩基配列で、ある部分がCからTに置き換わっていると、心筋梗塞の発症率が約1.5倍に高まっていることを突き止めた。この型の場合、血管をつまらせる血栓を作りやすくなるという。
また、「ILF3」遺伝子の塩基配列の特定部分がAからGに置き換わっている場合も発症率を約1.4倍に高めていたことがわかった。
山田教授は「今後は欧米人を対象に調べ、一人一人に適した予防や治療法の開発につなげたい」と話している。(高山裕喜)