2010年10月26日 11時8分 更新:10月26日 11時12分
政府は26日、円高・デフレに対応するための追加経済対策を盛り込んだ10年度補正予算案を閣議決定した。経済対策の規模は、一般会計4兆8513億円と、来年度以降の公共事業を前倒し契約する国庫債務負担行為2388億円を合わせた5兆901億円。29日に国会に提出し、12月上旬までの臨時国会会期内での成立を目指す。
財政健全化と両立を図るため、財源には10年度税収の上ぶれ分2兆2470億円や09年度決算剰余金の一部などを充てる。99年度1次補正以来、補正予算としては11年ぶりに新規の国債発行を見送った。経済対策を盛り込む一方、国債費を減額したことなどから、補正予算の総額は4兆4292億円となった。
対策には、新卒者支援など雇用・人材育成に3199億円▽中国からの輸入が滞っているレアアース(希土類)の確保など、新成長戦略の推進に3369億円▽保育サービスの基盤整備など子育て、医療・介護・福祉強化に1兆1239億円--などを盛り込んだ。さらに地域活性化のため地方交付税を1兆3126億円増額し、うち3000億円を10年度中に交付する。
今後は参院で与野党が逆転するねじれ国会の下で、野党との協議が焦点になる。野田佳彦財務相は閣議後会見で「野党の提案を参考にした十分合意可能な内容であり、早期成立を目指したい」と述べた。【坂井隆之】