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【記者コラム:窓】

ワイド窓 参院選 民主政策に地方の不満

2010年12月25日

参院選に勝利し、支持者から胴上げされる岡田直樹氏=7月11日、金沢市で

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 予想を上回る与党の大敗だった。政権交代後、初の本格的な国政選挙となった七月の参院選。石川選挙区は民主新人が自民現職に九万票超もの大差をつけられ、与党は過半数割れに追い込まれた。

 「消費税しか考えられない」。県内の民主陣営幹部は敗戦後、敗因を問われてつぶやいた。菅直人首相の消費税の増税発言が足を引っ張った、との見方ばかり強調されていたことを覚えている。

 だが、与党の敗因はそれだけだろうか。増税に一定の理解を示す有権者も少なからずいた。むしろ強く感じたのは、政権交代から時がたつにつれて膨らむ違和感だった。

 選挙期間中、有権者からたびたび失望の声を聞いた。米軍普天間飛行場の移設問題は迷走の末に前政権の案に戻り、公務員制度改革は踏み込みの甘さが目立った。「民主党なら変わると思っていたのに」。期待していただけに、落胆は大きかったのかもしれない。

 十分な検証を経ずに打ち出される諸施策には、地方が不信感を募らせている。今月十五日、県予算への要望に訪れた自民党県連の幹部に、谷本正憲知事は不満をぶちまけた。

 「政務三役でどこまで丁寧に詰めているのか。荒っぽいやり方で制度がつくられているようで怖いね」

 自民へのリップサービスかもしれないが、実感のこもる指摘だった。初年度の子ども手当で地方負担を求められたのをはじめ、頭越しに物事が決まる現状に、地方の不満がたまっているのは確かだ。

 政権に厳しい評価が下された参院選から五カ月。閣僚の失言が続き、小沢一郎元代表の「政治とカネ」問題はいまだ決着しない。夏の大敗から有権者の落胆をくみ取った様子は、残念ながら見えてこない。 (佐藤航)

 

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