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最終更新:2010年12月24日(金) 18時39分

JAL 整理解雇の現実

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 今年もっとも大きな経済ニュースといえば、1月のJAL=日本航空の経営破綻でした。1週間後の大みそかには客室乗務員らおよそ200人が強制的に解雇されることになっています。長年勤めた会社から解雇を突きつけられた思いを取材しました。

 24日朝、内閣府を訪れた日本航空の客室乗務員、内田妙子さん。仲間とともに、政府に申し入れたのは、会社側から言い渡された「解雇」の撤回です。

 「つらい思いをして頂くが、何としても整理解雇を実施していきたい」(日本航空 稲盛和夫 会長、先月30日)

 今年度中に1万6000人という大規模な人員削減を打ち出している日航。しかし、希望退職を募集しても目標数には届かず、強制的に雇用契約を解除する「整理解雇」の実施を決めました。57歳になる内田さんは年齢を理由に、この「整理解雇」の対象とされました。

 「仕事場だったのに、すごく飛行機が遠い存在になって。残りの定年までの数年を目いっぱい飛びたかった。できる限りフライトしたかった」(日本航空 客室乗務員 内田妙子さん)

 突然の解雇通知に、生活は一変したといいます。

 「眠れないんですよ。朝4時とか5時に目が覚めて。その後、2、3時間もんもんとして・・・」(日本航空 客室乗務員 内田妙子さん)

 解雇の撤回に理解を求めようと街頭などで訴えを続けてきた内田さん。実は、24日と25日も2日間のストライキを計画していましたが、23日夜になって急遽、中止しました。

 「ストライキを決行しても(解雇の)方針に対する会社の対応は変わらないと考えた」(日本航空 客室乗務員 内田妙子さん)

 ぶつけどころのない怒りを抱えたまま解雇の実施は、今月31日に迫ります。

 パイロットの近村一也さん。28年前に航空機関士として入社し、その後、副操縦士として国際線を中心に乗務してきました。しかし、9月末。

 「目の前が真っ白」(日本航空パイロット 近村一也さん)

 会社から渡されたのは乗務の予定が1便も記されていない「白紙」のスケジュール表でした。

 「『今後、この会社内において、あなたの活躍の場はありません。社外に活躍の場を求めてください』と言われた」(日本航空パイロット 近村一也さん)

 会社側の退職の要求。応じなかった近村さんのもとに郵送されてきたのが、今度は「整理解雇」の通知でした。家族には解雇の事実を言い出せないままだといいます。

 「飛んでないから(家族は)知っていると思う。こういう状況になると家族に迷惑かけるので申し訳ない」(日本航空パイロット 近村一也さん)

 解雇通知のあと、希望退職する社員も相次いでいますが、日航はあくまで整理解雇を実施する方針を崩していません。

 「もう一度必ず、この制服を着るつもりでいる」(日本航空パイロット 近村一也さん)

 1週間後に迫った「解雇の日」。社員たちに厳しい現実が突きつけられています。(24日16:55)

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