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「赤ちゃんを埋めてしまいました」 中3時代の「望まない妊娠」の結末

「赤ちゃんを埋めてしまいました」 中3時代の「望まない妊娠」の結末
2人が6年前、乳児の遺体を埋めたと供述した現場=奈良市

【衝撃事件の核心】

 残暑どころではない、真夏の猛暑が続いていた8月末のある朝早く、奈良県警奈良署に若い女性が入ってきた。

 「赤ちゃんを埋めてしまいました」

 女性は突然、こう話し、中学3年生だった6年前の自らの「罪」を口にした。21歳になる女性の口から発せられたこの一言に端を発し、奈良県警は殺人容疑で捜査を始め、埋められたとされる乳児の遺体捜索に向かった。

 結論から言えば、約3カ月に及んだ捜査の結果、死体遺棄罪はすでに3年の公訴時効を迎えていた上、乳児の遺体は見つからず、奈良地検は12月8日、県警が殺人容疑で書類送検していたこの女性と共犯とされた中3時代の交際相手の男性(22)について、嫌疑不十分で不起訴処分とした。処分理由は「供述を裏付ける客観的な証拠が発見できず、殺害の事実を裏付けられない以上、嫌疑不十分とせざるを得ない」というものだった。

 ■見つからない遺体

 県警は女性から話を聞き、赤ちゃんの遺体を埋めたと供述した奈良市内の公園まで案内させた。その後、男性からも任意で事情を聴いたところ、説明した遺棄現場が一致し、捜索を開始した。

 2人が乳児の遺体を埋めたとされるのは、公園の隅にあるプレハブ倉庫の裏側で、その先には雑木林があり、ひっそりとした場所だった。2人はこの場所を選んだ理由について「以前から知っていて、人目に付きにくい場所だった」と説明したという。

 県警は2人の供述にもとづき、地面を掘り返して遺体を探した。現場の公園は6年前から地形が変わっていないことなどから、すぐに見つかると思われた。

 だが、4日間延べ35人の捜査員を投入するも、出てきたのはウサギなど小動物の骨で、人骨はなかったという。乳児であることから、6年で骨が土に返った可能性について県警は専門家から話を聞いたが、「乳児でも6年で骨が自然に返ることはなく、骨盤や大(だい)腿(たい)骨(こつ)、頭蓋骨の一部などは残る」とされた。

 2人は園芸などでよく使われる移植ごてのようなスコップで「穴を掘り、遺体を埋めて土をかぶせた」と供述した。また、捜査員によると「現場は30センチぐらい掘ると木の根に当たる」といい、遺体が見つからなかったことについて、県警は「2人が深く掘ったとは考えにくい。獣が骨を持っていった可能性が高い」と指摘する。

 ■中3カップルの妊娠

 県警によると、平成16年3月末ごろ、中学3年だった女性が自宅の浴室で赤ちゃんを出産した。女性は当時交際していた同級生の男性と生まれたばかりの乳児の口を手でふさぐなどして殺害したといい、その後、乳児の遺体を近くの公園に埋めたという。

 女性の出産から逆算すると、中学3年の夏ごろには妊娠していたことになる。しかし、家族は妊娠に気付いていなかったといい、女性は産婦人科で診察を受けたこともなかった。中3カップルの2人以外、誰も妊娠の事実を知らなかったということになる。

 ある捜査関係者は「2人は『ばれたくない。ばれたら怒られる。別れさせられる』という心理状態だったのではないか」と推測する。こうして2人の犯行は、第三者に知られることなく行われ、6年もの間、事件が明らかになることはなかった。

 ■進む性行動、遅れる性知識

 こうした未成年による産後の乳児殺害、遺棄事件は後を絶たない。7月には神戸市で、当時18歳の高校3年の女子生徒が自分が産んだ乳児の遺体を道路の側溝に捨てたとして、死体遺棄容疑で逮捕され、その後、殺人容疑で追送検された。

 また、9月にも東京都世田谷区で、同じく当時18歳の高校3年の女子生徒が、生まれて間もない自分の子をポリ袋に入れてゴミ収集所に捨てたとして、死体遺棄容疑で逮捕された。いずれも女子生徒の家族は妊娠に気付いていなかったという。

 若者の性問題に詳しい(社)日本家族計画協会クリニックの北村邦夫所長は「家族だけでなく、友達や学校の先生までもが無関心な結果ではないか」と指摘する。北村所長によると、「あるアンケートで、国民の約7割が義務教育までに正しい避妊方法などを知っておくべきという結果があるが、文部科学省の中学校の指導要領にはない」といい、「学校で早い段階から性教育をすべきだ」と訴える。

 厚生労働省によると、16歳未満の出産は、平成元年は124件だったが、10年後の平成11年には221件と倍近く増え、昨年は229件といい、この20年での急増ぶりがうかがえる。

 行政から委託を受け、妊娠に関する電話相談をしているある助産師は、「インターネットなどの普及で、子供たちの性行動は早まっているのに、それに対して避妊など正しい性知識が伴っていない」と指摘。「学校での性教育よりも子供たちの性の現実の方が先行している。それに見合った教育になっていない」という。

 また、北村所長によると、虐待で死亡した児童の約3割が背景に「望まない妊娠」があるといい、生まれたその日に殺された乳児の7割近くが「望まない妊娠」で生まれた子という。「こういう現実があるということに、学校、行政、メディアは目を背けるべきではない」と話す。

 ■6年後出頭の“なぜ”

 事件に戻る。6年前に犯した「罪」を自ら名乗り出たのはなぜか。

 県警の調べに対して2人は「いつかはばれると思った」と話し、「申し訳ない。一生かかってでもつぐないたい」と犯行を悔いているという。

 不起訴処分となった今では、2人が罪を問われ処罰されることはない。

 「育てられず殺した」

 そう話した2人にとって、自分たちの未熟さと幼さ、そして身勝手さから小さな命を奪ったということは消えないだろう。

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