「毎日」山田孝男編集委員の「風知草」と日本共産党の役割
今日は朝から府常任委員会。いよいよ6月末を迎え、5・6月中に「しんぶん赤旗」の読者陣地で5中総時点からの後退を取り戻し、前回総選挙時回復突破への足がかりをつくるとした5月の全国都道府県委員長会議決定の実践も正念場を迎えています。今日の常任委員会では、21日に閉会した通常国会を通して発揮されたわが党国会議員団の値打ちをしっかりつかみ、6月活動の総仕上げに執念をもってとりくむことを確認しました。
第169通常国会は6月21日、156日間にわたったその会期を終え閉会しましたが、志位委員長は20日の議員団総会で(1)議員団とそれを支えるスタッフの努力によって、今度の国会ほど、党議員団の論戦に、国民から多くの共感・激励が寄せられた国会はなかったこと、(2)わが党の国会論戦が国民運動と結びついて現実の政治を一歩二歩と前に動かしたこと、(3)「攻め」の論戦と一体に、国会運営でも、議会制民主主義を守る役割を発揮したことの3点を、具体的な事実を示して明らかにしました。
このことは決してわが党の自画自賛ではありません。6月23日付「毎日新聞」掲載のコラム「風知草」で、同紙の山田孝男専門編集委員が「秋葉原と国会ハケン攻防」と題して面白いことを書いています。このコラムでは派遣労働者支援組織「派遣ユニオン」の書記長、関根秀一郎氏を紹介しつつ、「関根からの聞き取りを踏まえた共産党委員長・志位和夫の国会質問が評判になったのが今年2月」と書くとともに、国会終盤の6月初め、日雇い派遣禁止の法改正を探っていた野党4党の共闘が空中分解したのは「民主党内がまとまらなかった」ためであると述べています。
それは民主党は派遣労働について「積極規制派」と「慎重派」に分裂していて、「慎重派」はグッドウィルと関連企業など派遣会社28社の正社員4万人で構成するJSGU(人材サービス・ゼネラルユニオン)と結びついていることを指摘。「日雇い禁止は派遣会社の経営を直撃する。JSGUは産業別労働組合『UIゼンセン同盟』の一員で、民主党の支持団体なのだ」と論じています。
そして「野党共闘は崩れたが、関根の調査や志位の追及は世論を揺さぶった」として、2月の政府労働政策審議会の動きや、6月3日の警視庁によるグッドウィル課長の逮捕、6日の社会保障国民会議での首相発言を紹介。それがついに6月13日の「日雇い派遣の原則禁止と秋の法改正」明言という桝添厚労相発言につながったことを指摘しています。つまり、志位委員長が議員団総会で述べた「わが党の国会論戦が国民運動と結びついて現実の政治を一歩二歩と前に動かした」ことを裏付けるものと言ってもいいでしょう。
「風知草」は6月18日に、新潮文庫が小林多喜二の「蟹工船」の105刷を決めたことを紹介。毎年5000部出る本が、今年の最新集計で35万7000部に達することを紹介し、「このブームと雇用不安をめぐるさまざまな逸話は、やはり同根だろう」と結んでいます。しかし、日雇い派遣禁止の法改正をめぐる民主党内の分裂と「JSGU」との関係についての指摘には考えさせられるところ大ですね。
以前、私が「今日のタックル」で「蟹工船」について触れた時、新潮文庫では小説「蟹工船」とセットで「党生活者」が収録されていることに言及し、「『党生活者』まで読み進めてもらって、たたかいをリードする日本共産党にも注目していただけば幸いです」と書きました。(詳しくは6月14日「今日のタックル」http://www.miyamoto-net.net/column/diary/1213452345.htmlをご覧下さい)「党生活者」を読んでいただくと、舞台となっている「倉田工業」には、労農大衆党系の御用組合「僚友会」というものがあることが出てきます。
ちょうど「新潮文庫」版なら219ページの終わりごろに出てきますが、「みんなで『労働強化反対』とか『賃銀値上げ』とか『待遇改善』などを僚友会に持ち込ませる。そうすれば彼等は、色々な理屈を並べながら、結局その闘争の先頭に立つどころか、みんなを円めこんでしまう。それを早速つかんでみんなの前で、彼奴等味方ではないということをハッキリさせる」という「細胞(いまの党支部)」会議の決議が出てくるのです。まあ、今日では「毎日新聞」専門編集委員にとってさえ、そのことはもはや明りょうなようです。
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