都の暴力団排除条例の制定を検討している警視庁は22日、警察の中止命令に従わず、暴力団への利益供与を続ける事業者への罰則を「懲役1年以下の懲役または50万円以下の罰金」とすることを盛り込んだ条例案をまとめた。
条例案によると、取引などで意図的に暴力団に利益を供与する事業者には、公安委員会が関係遮断を勧告。従わない場合は業者名を公表し中止命令をかける。命令に違反して利益供与を続ける場合には罰則が科せられる。利益供与を自主的に申告した場合はペナルティーを科さない。
他に規制されるのは、暴力団排除運動を妨害する行為▽青少年を暴力団事務所へ立ち入らせる行為▽学校などの施設の周囲200メートルに暴力団事務所を開設する行為▽暴力団への不動産の名義貸し--など。罰則はないものの、都や都民、事業者に対し暴力団排除に努めるよう求める努力義務も盛り込まれた。
官民一体で暴力団の東京進出を食い止め、組織の弱体化を図るのが条例の狙い。来年2月開会の都議会に提出する。【川崎桂吾】
毎日新聞 2010年12月23日 地方版