2010年03月23日
不特定多数の人間から嫌がらせが続き不眠症と体調不良になった時だった。
帰り際にマルサンが背中に向かって話しかけて来た。「我々と一緒にやりませんか?」
マルサンが何らかの方法で監視させて嫌がらせの命令を出しているようだ。粘着質の気色悪い声が耳にまとわりつく。
いったい何をやるのだろうか?
勝手に戸籍を調べ集団で水に縁のある人物を監視して嫌がらせをする仲間になれというのだろうか?
そんな犯罪行為に加わる為にここへ来たのではない。ましてや、そんなことの為に産まれて来たのではない。
本当にこの部屋を盗撮してるなら女帝と呼ばれる女の子は俺が体調不良で苦しむ姿を見てるのだろうか?
何とも思わないのだろうか?良心などないのだろうか?
疑問に思ったが、よくよく考えると二十歳の女の子が集団に背いて救済出来るはずもない。
また歌手デビューが決まっているらしく、それを聞いて小心者の自分には結婚なんて絶対に無理だと思った。
「家臣団から攻撃される気分はどうだ?」、「完全体を造る」、「種馬にしてやる」、「わしらは血に拘るんじゃ」、「儀式なのでみんなが見守る前で子供を作れ」、「教会に複数の子供を預けた」、「女性の脳に障害が出る事が多い」、「結婚の前後に障害が出る」マルサンは他にも耳を疑いたくなるような言葉を投げかけてくる。
こいつは一体なんなんだろうか?結婚前後に女性の脳に障害が出るというのは、どうやら薬を使って意に反する相手と結婚させるということらしい。法治国家でこんなことが許されるのだろうか?どこまでが真実なのだろうか?本当に西暦2000年の日本なのだろうか?何故、俺にそんなことを教えるのだろうか?謎が謎を呼ぶばかりだ。こんなカルト集団なんて許されるのだろうか?
種馬になれるのは男としては嬉しい事かも知れないが、みんなが見守る前で子作りってどういう意味?
神聖な儀式と称して、ほものおっさんを喜ばす為の変態プレイを強要されてはたまらない。ほも専用AVでも鑑賞して満足してもらいたいものだ。
こんな気持ち悪い奴らを何とか解散させる方法は無いものかと考えた時、ある答えに辿り着いた。
モルモン教の信者はモルモン教の信者としか結婚出来ないので、それほど遠くない未来に自然消滅するのではないだろうか。
理由は単純で血筋に拘るあまり結婚相手が必然的に限られてしまい、選択肢の少ない彼らは血が濃くなり過ぎる。
そうなると障害を持った子供が産まれる確率が高まる。先天的な障害を持つ者、つまり遺伝子異常のある者との結婚は極力避けるだろうから、信者同士だけで結婚相手を選ぶ場合、更に絞られてくる計算になる。
血筋に拘っているのだから、どこの馬の骨とも分からない者と血を混ぜる事は絶対にないだろう。
問題は何世代くらい前から血統に拘っているかだが、もしもマルサンが血が濃すぎて脳に障害が出たサイコパスであるならば、既に弊害が出ている証拠であり血筋に拘る連中は後2〜3世代もすれば確実に消滅するだろう。
何の間違いか知らないが自分は血統リストなるもののトップに載せられてしまったらしいが、マルサンの言葉が事実ならばリストには30数人しか載っていないようで血筋に拘る限り1人でも抜ければ交配パターンが減り崩壊の日が確実に早まるのだ。
血筋に拘るならばモルモン教の信者以外と結婚出来る制度に変更すべきだろうと思ったが彼らにその気は無いようだ。
そもそも自分は植物や動物ではないのだ。遺伝子実験のように勝手に交配パターンを決められてはたまらないが、女帝と呼ばれる女の子は何とか連れ出したかった。カルト教団が自然消滅を逃れるには信者を増やし続ける必要があるが、血筋に拘る事と日本には日本古来の宗教があり、ご先祖様から受け継いできた信仰を得体の知れない外来の新興宗教に簡単に変える者などいないことがネックになる。
この程度の計算も立たないということは目先の事だけを考えた単的な視野しか持っておらず、また、彼らの強引な行為に焦りすら感じる。本来は拡散させる必要があるものを集約させている時点で確実に血の崩壊が起きるだろう。そう考えると自分が先頭に立ってカルト集団を解散に追い込む必要はないという結論に達して気楽になった。単に待てばいいのだ。これほど楽な事はない。
それと同時に絶対にモルモン教には入らないと心に誓った。
奴らが血の崩壊によって自滅する日が1日でも早く訪れる事を願って。
それから可能であれば血統リストに入っている他のメンバーに自分が体験した事実を知らせて身を守るように忠告したいものだ。その中には天才軍師と言われた真田幸村の子孫がいたが後は誰か分からない。是非、気をつけて欲しいものだ。