「WBA世界Sフライ級タイトルマッチ」(23日、大阪府立体育会館)
3度目の世界挑戦に臨んだ同級6位の久高寛之(25)=仲里ATSUMI=が、王者ウーゴ・カサレス(32)=メキシコ=に0‐3の判定で敗れた。王者の技巧に攻撃を封じられ、ジャッジ2人が6ポイント差をつける完敗に終わった。カサレスは3度目の防衛に成功した。
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最後まで打開策が見つからなかった。巧みに右構え、左構えとスイッチするカサレスをつかみきれず、ポンポンと細かいパンチを被弾。流れを奪えないまま、試合終了のゴングを聞いた。
大差判定負けのコールに、久高は「妥当かな。こんなにパンチをもらったのは初めて。情けない顔になりました」。腫れあがった顔を冷やしながら、さばさばと完敗を認めた。「カサレスはうまかった。さすがチャンピオンです」と力ない笑みを浮かべ、素直に王者をたたえた。
チャンスはあった。4回に右ストレート、5回に左フックをカウンターでたたき込み、カサレスをぐらつかせた。だが「次を当てさせてくれなかった」。追撃をかわされ、決定的なダメージを与えることができず。中盤以降は逆にアッパーをカウンターで合わされ、攻め手を完全に封じられた。
「ボクシング人生を懸ける」と宣言した3度目の世界挑戦も、王座奪取には届かなかった。進退については「年末、正月をゆっくり休んで考えます」と明言を避けた。