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きょうの富山市の街中、グランドプラザに設置されたエコリンクの様子です。
クリスマスイブの24日、家族連れなどで賑わっています。
シリーズ2010とやま、24日は、こうしたまちなかの魅力アップなど、富山市のまちづくりをとりあげます。
去年12月、富山市の市内電車に環状線のセントラムが開業しました。
市の中心部に新たなレールを敷いたことで、富山駅と県庁などの行政機関、そして商業地域などを周回できるようになりました。
利用者「新湊から・・・意外と便利やね」
そして今年4月セントラムなど公共交通の沿線に設置されたのがこの自転車、会員になると24時間、いつでも利用できる自転車共同利用システムです。
まちなかへの車の乗り入れが減って二酸化炭素排出の削減につながると、ヨーロッパなどの観光都市で導入の動きが広がっています。
日本では富山市が初めての取り組みで、全国から注目されました。
利用開始から9か月、先月末時点での会員登録数は871、利用回数は平均で平日が121回、休日は45回で富山市が当初掲げていた目標の半分以下となっています。
利用が進まない要因のひとつがマイカーでの移動が当たり前となっている富山の生活スタイルです。
駐車場の広い郊外のショッピングセンターでの買い物など、車の利用が便利な生活の前提になっています。
女性「私、街中からちょっと離れているので1時間に1本もバスがないので、富山にいると車抜きでは考えられないので」
ただ富山市は、将来のことを考えると公共交通の整備と街中の再生が必要と強調します。
市長「もとより車のない暮らしはありえないわけですけど、車も公共交通も使うということが・・・」
富山市の試算では30年後には市の人口が2割減少、その一方で、3人に1人が65歳以上となり、一人暮らしのお年寄りが増えるとともに、車を運転できない市民が2割増加すると予測しています。
年とって車乗れなくなったらどうされますか?)「困るなとおもっとんが、免許更新ごとにびくびくしながら、わたしも65なんで今、バス、なんか100円でいけるそういうのがあるいうのは聞いたんですね、そんなん利用しようかなと思ってるんですね」
こうした中で富山市が目指すのは役場や病院、スーパーなどの生活基盤を、歩いていける範囲に集約し、暮らしやすいまちづくりと行政の効率化を図ることです。
そして街中と郊外を公共交通で結ぶことによって、お年寄りの移動手段を確保しようという考えです。
この計画には、街のにぎわいづくりも重要なポイントです。
「魅力ある街づくりの一環としておととしオープンしたのがこのエコリンクです。このすぐ近くに今年10月、富山市の地産地消の拠点として地場もん屋総本店がオープン。まちなかの賑わいづくりの拠点として一役かっています」
地場もん屋総本店には富山市で生産された野菜や加工品およそ500品目が並んでいます。
オープンして2か月、一日平均の買い物客はおよそ600人で当初予想の倍となっています。
客「いいですよね、地元のものがわかって、初めてきましたけどたくさんあるんですね」
平成19年から始まった富山市の中心市街地活性化計画には27の事業が盛り込まれていて国の補助制度などを活用し進められています。
そしてまちなかの活性化には再開発事業もポイントです。
旧大和富山店の跡地の再開発については今月初め、設計事業者が公表され、合わせてビルのイメージが示されました。
外壁には富山の主要産業であるアルミやガラスなどを使い、西町交差点に面した壁面をカーブさせることで街にやわらかい印象を与えます。
中には市立図書館本館と、ガラス美術館などが入る予定でいわば知性や芸術の「百貨店」として生まれ変わることを目指します。
一方、現在、空き店舗が多く通行量が激減している中央通りでは商店街全体のショッピングセンター化というこれまでにない経営戦略で再生を図ろうとしていて全国からも注目を集めています。
富山のまちは、その姿を少しずつ変えつつありますが、公共交通を軸としたまちづくりは車に依存した市民生活の実態とはまだかけ離れているのが現状です。
市ではこのほかJR高山線での増発実験など公共交通の利便性を高める取り組みを今後も進めると同時に、公共交通の利用が環境にも家計にもメリットがあることなどをPRし理解を図りたい考えです。
さらに交通機関のバリアフリーの充実など取り組むべき対策も少なくありません。
4年後の北陸新幹線の開業も視野に、新幹線沿線のほかの都市にはない魅力的な街づくりを具体的に示して進めていくことが大切です。
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