◆お好み・鉄板焼 ダブルキッチン=神戸市中央区元町通6
粉もんファンには外せない店だ。粉もんの本場、神戸・長田で育ち、幼いころからお好み焼きを食べ続けてきた工藤真吾さん(29)がL字型鉄板の前に陣取る。
だしはカツオブシ、昆布、鶏などをベースに、白ワインを加えている。工藤さん「白ワインを入れるのは焼き上がった際の粉のにおいを消すためです。だし本来の香りが味を深めます」と話す。
ソースもこだわる。長田で製造して数社のソースをブレンド。濃厚の中に繊細な味わいをまとった。焼きそばのめんとの相性も抜群。少しもっちりしためんにソースが絶妙に絡む。
「試行錯誤の末、長田に負けない味を出すことができました。店内もレトロな感じにして庶民的な店にしました」と工藤さん。値段も庶民派。昼は豚玉定食(600円)、豚焼きそば定食(650円)などが人気。お好み焼きは500~880円、そば・うどん600~980円。
昼11時半~14時、夜17~22時半。日曜、祝日休み。(078・371・7779)
◆ぴゅあはあと=神戸市東灘区本山中町4
布地で作れるものならば何でも作る。ミシンを駆使して1枚の布地からオリジナルにあふれたエプロン、ショルダーバッグ、人形、かばん、スモックなどが生まれる。
ミシンを自在に操るのは上田晴美さん(67)。「入園、入学の前になると、レッスンバッグ、お弁当袋、コップ袋、体操服入れ、給食袋などが売れますが、オーダーでも作っています」
おじいちゃん、おばあちゃんが名前を入れたオリジナルバッグを注文して孫へのプレゼントが増えているという。布製バッグなどは軽く、洗濯もできる。しかもオーダーならば世界で唯一。子どもたちも喜ぶ。
「喫茶店の布看板を作ったことがあります。変わったところでは動物の着ぐるみの注文をいただきました。布地の持つ手触りの温かさが好きで、店ののれんなどにも挑戦していきたいですね」
サイズや布地で異なるがオーダーの場合、スモックは2000円から、かばん類は1000円から。注文から手渡しまで約1週間。10~18時。水曜休み。(078・411・6864)
◆韓式居酒屋 アッパ=尼崎市西立花町2
「辛いだけではない韓国料理を食べてもらいたい」と、在日韓国人の家庭で育った山本秀さん(31)が大阪・鶴橋の韓国料理店で修業を積み、08年3月に開店した。
お薦めは三田牛のホルモンを煮焼きする鉄板焼き・ホルモン鍋(1280円)。あっさり塩味とピリ辛味噌(みそ)の2種類から選べる。辛味噌は自家製で、辛さだけでなく、ナシなどの果物の自然の甘さが加わっている。海老(えび)チリ(680円)や海老マヨ(同)は原価ギリギリの大きな海老を使用。「小さな海老だといやでしょう」と笑う。外側はさっくり、内側はふっくらの海鮮チヂミ(同)もリピーター続出だ。
また冬季限定のてっちり鍋(前日までに要予約)も人気。てっさ、から揚げなどもついてボリューム満点。ふぐの調理免許を持つ山本さんが店でさばくため、仕入れたふぐの重さによって値段が変わるが、1人前3500円からと格安なのも人気の秘密だ。
火曜定休。17~24時。(06・6412・1501)
◆田丸=尼崎市南武庫之荘3
旬の素材にこだわる酒と魚の店。「おいしい魚を気軽に楽しんでほしい」と中上誠店長(36)。魚は中上店長が毎朝、大阪府豊中市の庄内市場に足を運び、旬の魚の中から新鮮で質の良いものを自ら選ぶ。
毎日メニューの変わる「本日のお造り」は800円前後の品を中心にそろえ、冬場の今はブリやヒラメなどがおすすめだ。また、柔らかく甘みのある播州地鶏(780円)や熊本から直接仕入れる馬刺し(980円)も人気で、地鶏はたたき、ねぎポン酢、塩焼き、竜田揚げの4種類の味が楽しめる。
季節に合わせて素材を替える「本日のお料理」は種類も豊富。だし巻(350円)や海鮮サラダ(980円)、本ししゃも(680円)など約60種が常時用意されている。酒は魚に合うすっきりした辛めのものを集め、焼酎や泡盛、日本酒などを取りそろえる。
営業は17時半~24時(ラストオーダーは23時半)で月曜定休。(06・6436・5081)
毎日新聞 2010年12月16日 地方版