2010年10月25日 21時7分
ソフトバンクは25日、電話網を光回線による超高速ブロードバンド網に完全に置き換える政府の「光の道構想」について、これらインフラを保有するNTTのアクセス回線部門を分離し、政府と通信会社3社などが共同出資する新会社として光回線の整備を進める新提案を公表した。片山善博総務相にも同日、提出した。
孫正義社長は東京都内での記者会見で「(NTTの回線に)ただ乗りしようとしているとの批判に応えるため、1000億円を出資し、1兆円の負債の返済も引き受ける。たとえ1社でもやる覚悟がある」と述べた。
ソフトバンクは以前から、アクセス回線部門をNTTから分離すれば、2015年までに政府負担なしに光回線を100%普及できると主張しており、新提案で自社が経営責任を負う姿勢を示した。また、分社化後の新会社には政府がNTTの株式2000億円相当を現物出資するほか、3社が1000億円ずつ出し合うという案を示した。
分社化案に対してはNTTが9月、ソフトバンクの試算は甘く、赤字になるなどとして反対意見を表明したが、孫社長は「2300億円の黒字が出る」と再反論した。【乾達】