県立医大付属病院(橿原市)に助産師が中心となって正常な分娩(ぶんべん)を取り扱う「メディカルバースセンター」が、来年1月11日にオープンする。リスクの低い妊婦を受け入れる県内初の施設で、リスクの高い妊婦の分娩に対応する院内の総合周産期母子医療センターとの役割分担を進め、周産期医療体制の強化を図る。
県によると、県内で分娩ができる医療機関(病院・診療所)は27施設。南和地域(五條市、吉野郡)には1施設しかなく、県南部で分娩ができる施設の確保が急務となっていた。
メディカルバースセンターと産科医が勤務する総合周産期母子医療センターの役割分担を進めることで、現在は同病院で年間約820件の分娩数を年間1000~1100件に増やす狙いがある。このうちバースセンターだけで約400~500件を受け入れ、将来的には分娩に対応できる助産師を育成し、県南部での助産院開院を進める。
バースセンターは2分娩室と個室10床(1床当たり21平方メートル)を備え、助産師を最大で15人配置する。整備費は約2億1200万円で、小林浩・同病院産婦人科部長がセンター長を兼任する。【阿部亮介】
毎日新聞 2010年12月24日 地方版