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[ICON]編集者の日々の泡

ここだけの話だが、水嶋ヒロ「KAGEROU」の評判が悪い。

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提供:編集者の日々の泡

ここだけの話だが、周辺の編集者仲間でも、ポプラ社小説大賞受賞作、水嶋ヒロ「KAGEROU」の評判が悪い。

曰く「ストーリーがひどい」「キャラ造形が悪い」「日本語が悲惨」と、三重苦の有様らしい。

仲間内の与太話だけでなく実際アマゾンの評価など見てみても、最低ランクの「1」評価ばかりが並んでいる(あとはファンの盲目擁護と思われる「5」評価と)。

もちろんアマゾンへの投稿評価だから、有名人に対するヤッカミからむやみに評価が低い投稿が連なる傾向にはあるだろう。

しかし、中間の2〜4が極小だ。そこには一定の真実があるはず。おまけにプロである書評家や作家の評価も芳しくない。というか見ていると遠慮しながらの酷評といった趣だ。

実際どうかと思ったので、書店で手に取ってみた。


パラ見した程度なので、キャラ造形や物語については語れない。日本語表記レベルの話は語れるので、ここではそのところについて書いてみる。

とはいえこれ、思ったほどひどくなかった。いや、仲間の話を聞く限り、もっととてつもなく破綻してると思ってたので。

でもまあ「プロの編集者としてうまい文章と思うか?」と訊かれれば、どう贔屓目に見ても「残念ながら」としか答えられない。

小説家とはとても言いづらいレベルであり、まあフツーの高校生が書いた作文クラス。語彙も言い回しも、日本語としてのリズムの付け方もビビッドな日本語を書くテクニックも、全部水準が低い。

ポプラ社が本書を書店買い切りの責任販売にしたのは正解だ。委託販売では噂が拡がりどかんと戻って大損する可能性がある、この質では。

水嶋ヒロには罪はない。彼は読者に伝えたい切実ななにかをせいいっぱい書いただけで、下手だろうがなんだろうが他人に文句言われる筋合いはない。

俳優なげうって作家になろうと決意するなんて、潔さにあふれている。今なに言われたって、今後精進していい作家になって見返せばいいだけの話。私個人的にはむしろ応援したいくらいだ。

しかしこうなると問題はポプラ社かな。

他に1000を超える投稿作があったというのに、本当にこれが「一番」なのだろうか? と誰しも感じるはず。

となると、ポプラ社の主張「俳優・水嶋ヒロの投稿とは知らずにベストの作品を大賞に選んだら、偶然水嶋ヒロだった」という言い訳が「怪しい」と考える層に、一定の根拠を与えたことになる。

なんたって選考は自社の社員だけで行われており、普通の文学新人賞のように外部の作家なり評論家なりが入っておらず選考過程も公開されてないことが、こうした疑惑を深めている。

まあ正直私もその可能性が高くなったと思うし。

実際、週刊ポストが、「本人側から持ち込んだヤラセだった」「賞金2000万円辞退はシナリオで、ハナからその前提で印税率が決められていた+話を持ち込んだ出版プロデューサーにも印税出す」って記事を出したね。
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編集者の日々の泡

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出版社の編集者。雑誌、単行本、Webサイトと、ひととおりの編集を経験。撮影、デザインに関しては、自分でプロとしてできるほどではないが、よしあしはわかる。

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