(cache) 「やっぱ、すっげ～イヤですよ。けど、ケチをつけるようなことはしたくないんでね」(ゲンダイネット)

●世界のうめざわさん

　今年３月に終了するまで７年続いた日本テレビ「エンタの神様」は綾小路きみまろ、カンニング竹山、芋洗坂係長など多くの売れっ子を輩出した。そして、同番組のオープニングを飾るトップバッターはピン芸人の登竜門でもあったが、そこで着物姿にモヒカンヘアで１年間レギュラーを務めたのが世界のうめざわさんだ。今どうしているのか。

●「恵まれない芸人にはすごくありがたいんです」

「お待たせしました。きょうもシュールなリアリスト、『天下無双のモヒ勘流』、世界のうめざわです」

　新宿・初台にあるギャグプロレス団体「西口プロレス」オフィス。うめざわさん、鮮やかなエメラルドグリーンの着物に６０センチはあろうかというモヒカンヘアで現れた。

「確かにテレビは出なくなったなあ、ハハハ。って、笑ってる場合じゃないか。でも、山形のコミュニティーラジオ『ラジオモンスター』さんで第１・第３水曜日の夕方６時４０分から『うめペディア百科事典』をやらせていただいてるし、月１の定期ライブ『嗚呼　お笑い　東洋・太平洋秘宝館タイトルマッチ』やホームグラウンドの浅草・東洋館さん、あと、西口プロレスのイベントなんかに出て、どうにか食ってます」

　増えたのが健康ランドや町おこしのイベント司会、飲食店の１日店長だ。

「とくに寿司屋や居酒屋などを全国展開してる魚家グループさんにはお世話になってます。この前もグループ内の『すし鮮』で本マグロ解体ショーの司会をやりました。飲食店や町おこしイベントは食事や名産品のお土産付きってのが多く、恵まれない芸人にはすごくありがたいんですよ、ホントに」

　さて、埼玉県毛呂山町育ちのうめざわさんは高校を卒業後、ミュージシャンになりたくて目黒の音楽専門学校に入学した。

「ジャズプレーヤー・コースのドラム科専攻でした。無事卒業はしても、音楽でメシを食うのは厳しい。で、資格専門学校に就職したんです」

　アリャ、インターネットのウィキペディアの情報とはまるっきり違う。

「ああ、あれね。Ｈ大学法学部政治学科を卒業してＮ刊スポーツ新聞社入社。退職後は造園会社勤務ってヤツでしょ。誰がアップしたのか知らないけど、全部デタラメです」

　実際はサラリーマンをしながら、お笑い芸人を目指し、０２年、日本テレビの「進ぬ！電波少年」で初レギュラー。その間、０１年にはプロレス好き芸人９人で「西口プロレス」を結成し、０７年、着物姿にモヒカンヘアが注目され、「エンタの神様」に起用された。

「実はオフクロが日舞の藤間流の師範でしてね。物心ついた頃から着物は身近な存在で、着付けも自分でできます」

　しかし、だ。「世界の～」といえば、３年前には「世界のナベアツ」が大ブレーク。７年前から「世界の～」を名乗っていたうめざわさんは正直、影が薄い。

「やっぱ、すっげ～イヤですよ。けど、売れたもん勝ちが現実だし、多分、『世界の～』って芸人は過去にもいたと思うんです。だから、今さらケチをつけるようなことはしたくないんでね。いっそのこと、来年は芸名を変えて心機一転、新人のつもりでガンバろうかな、とも思ってるんです」

　２２日、下北沢で「嗚呼　お笑い　東洋・太平洋秘宝館タイトルマッチ」のライブ、２３日は東洋館の「雷ライブ」、２７～３０日は同「エンタメヒットパレード　年末スペシャル」に出演する。

　毛呂山町の実家に両親と暮らす。