天皇陛下は、23日、77歳の誕生日を迎えられました。皇居では、23日、一般参賀が行われます。
天皇陛下は、誕生日を前に皇居・宮殿で記者会見に臨まれました。この中で、天皇陛下は、この1年を振り返って、まず、各地で所在不明の高齢者が相次いだ問題を挙げ、思いもかけない非常に残念な事だったとしたうえで、「医療や介護に携わる人々の不足など、さまざまな困難もあることと察せられますが、高齢者のために力を尽くす人々が増え、人々の老後が安らかに送れるようになっていくことを切に願っています」と述べられました。一方、晴れやかなニュースとしては、日本人2人のノーベル化学賞の受賞や、小惑星探査機「はやぶさ」の帰還とともに、絶滅したとされていた淡水魚の「クニマス」の生息が山梨県の湖で確認されたことを挙げられました。魚類の研究者でもある天皇陛下は、「本当に奇跡の魚と言ってもよいように思います」と喜びを表し、クニマスの絶滅を防ぐ取り組みの必要性についても語られました。また、ご自身の健康について、耳がやや遠くなったと明かしたうえで、「加齢による症状には、年齢の若い人にはなかなか想像のしにくいことがたくさんあるのではないかと思います」と述べられました。一方で、去年、大幅な見直しを行った公務については、「今のところ、これ以上大きな負担軽減をするつもりはありません」と説明されました。また、通学への不安から一部の授業に出席できない状態が続く、皇太子ご夫妻の長女の愛子さまについて、「登校が難しくなるという思いがけない問題が起こり、心配しています」と気遣ったうえで、愛子さまが皇居を訪れる際、皇后さまに摘んできた花を手渡したり、飼っている猫の動画を見せたりしている様子を紹介されました。皇居では、23日、一般参賀が行われ、天皇陛下は、午前中に3回、宮殿のベランダに立ち、お祝いを受けられます。