<がん治療>妨害たんぱく質発見、メカニズムも解明 東北大
毎日新聞 12月23日(木)11時3分配信
がんの放射線療法などでDNAの2本鎖を人為的に切って生じさせた「二重鎖切断」を修復してしまうため、治療の妨げとなっていたたんぱく質の働きを、東北大加齢医学研究所の安井明教授(分子生物学)らの研究グループが突き止めた。修復メカニズムが解明されたことで、効果的な治療法の確立が期待される。
二重鎖切断が生じたがん細胞は死滅する傾向があるため治療に利用されてきたが、「KUたんぱく質」と呼ばれる特定のたんぱく質が修復してしまうことが課題だった。
研究グループがDNAの切断部に集まるたんぱく質を解析した結果、新たに「ACF1」「SNF2H」など4種類のたんぱく質を発見。「KUたんぱく質」は、4種類のたんぱく質のうちどれか1種類と結合しなければ働かなくなる−−というメカニズムも解明した。
今後は、がん細胞に「ACF1」や「SNF2H」が存在するかどうかを調べれば、抗がん剤や放射線療法によって二重鎖切断を作り出す治療が効きやすいかどうかを、事前に特定できるようになるという。【垂水友里香】
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最終更新:12月23日(木)16時47分
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