| ||||
| ||||
| ||||
| ||||
韓国から上陸した電気自動車e−ZONE(イーゾーン)は、今までのクルマの常識をくつがえす存在だ。日本の自動車メーカーには絶対作れない、異色だが楽しい「乗り物」になっている。
乗り込んだ第一印象は、自動車というよりゴルフカートだった。外見は十分に可愛いのだが、インテリアは実に素っ気ない。そもそも「インテリア」という言葉に該当するような内装品はない、と言ってもよい。シートは文字通り「取って付けた」ような感じ。座面を跳ね上げて3箇所のボルトを手で回すと、すぐにバッテリーが露出する。
構造はシンプルそのもので、安っぽいと言ってしまえばそれまでだが、かなり鮮烈な印象を受けるのは間違いない。クルマという既成概念をいったん捨て、一つの乗り物として見れば、とても素敵でワクワクさせられる製品だ。なお、試乗車は並行輸入車で、国内正式発売時には内装などが大幅に改善されるかもしれない。
2人乗り。形状はほぼ3ドアハッチバックで、シートの後ろにある荷物スペースが意外に広く、ミッドシップのスポーツカー程度の広さはある。後ろにカーゴをつけた「バン」タイプのグレードもある。
積み込むバッテリーはユーザーが選べる。標準は鉛電池で、1回の充電で50〜70キロ程度の航続距離。50万円ほど高いリチウムイオン電池を選べば、航続距離は100キロ程度に伸びる。1キロ走るのに必要な電気代は1円程度といい、ガソリン価格などから試算すると、リッター150キロぐらいの燃費に相当する。もちろん走行時のCO2排出はゼロだ。
7kWのモーターはさすがに非力で、とても高速道路を走るには向かないが、EVだけに発進加速はスムーズ。なにしろ車重(バッテリー除く)が520キロしかないから、思ったより軽快に走る。近距離の買い物などのユーズには十分だろう。ただ、走行音はかなり騒々しく、EV独特の「静かさ」とは無縁だ。
正式発売時の価格・仕様は未定だが、ベースモデルは170万円程度になる見込みで、補助金などを引けば100万円前後と、EVとしては破格の安さになりそう。ほかのどのクルマにも似ていないこのモデル。異色のセカンドカーとして国内でも注目される可能性がありそうだ。 (アサヒ・コム編集部)