翠屋での仕事を終わらせ、五代は士郎達に別れの挨拶をし、四人分のシュークリームを購入して月村家への帰路に着いた。
海鳴の町を歩きながら、ふと五代はある事を思い出し、寄り道をした。その行き先は八神家。無論、五代ははやて達がもう海鳴にいないのを知っている。しかし、翔一との話で聞いたある事を気にしたのだ。
「……やっぱり、誰も住んでないんだ」
明かりのない元八神家。五代は来た事がなかったが、翔一やヴィータからの話で、どれだけ賑やかで明るい場所だったかは良く知っている。
外観を一しきり眺めて、五代は視線を家からある場所に移した。それは……
「……枯れ始めてる……か」
翔一の作った家庭菜園。そこには、おそらく引っ越す前まで世話をし、処分する事が出来なかったであろう、僅かに残った何かが枯れ始めていた。五代はそれを確認するために小声でお邪魔しますと呟き、庭へと入った。
ゆっくりと近付き、それを確かめる五代。それは、いちごだった。翔一が約束のために用意した物を、ヴィータが苦労しながら育てた物の名残。そう、ヴィータは翔一がいつ戻ってきてもいいように、家庭菜園の世話をしていたのだ。
それを五代は知らない。だが、何となくその枯れたいちごが寂しそうに見えたので、五代は誰にもなく告げた。
「ゴメン。抜かせてもらうね」
そう言うと、五代はその枯れたいちごを抜き、その菜園の土の中へ埋めた。この家の思い出は、もうはやて達が持って行った。なら、これははやて達は知らない物だ。だから、枯れたまま朽ちていくのはさせたくない。
そう思ったからこそ、五代は土に埋めたのだ。ヴィータもそうだった。翔一との思い出残る家を離れる際、この菜園を処分する事が出来ず、泣く泣く処分したのだが、このいちごは種が零れ勝手にここまで育ったのだ。
「……翔一君、どこにいるかな」
そう呟く五代。彼のその呟きは、皐月の空へ消えた……
食事を終え、五代が買ってきたシュークリームをお茶菓子に、食後のティータイムを四人で過ごしていると、ふとすずかがこう言い出した。アリサにも会って欲しいと。もう高校生になり、美人になってますよと付け加えて。
それに五代は苦笑するが、確かにアリサなら美人になっているだろうと思い、肯定の意味で頷いた。更にファリンが学校で一番人気なんですよと言うと、五代は軽く驚いた。ミス聖祥なんだと五代が言うと、すずかが苦笑しつつ頷いた。
「本人はどうでもいいって言ってますけどね」
「アリサちゃんらしいなぁ」
「で、すずかちゃんが惜しくも二番です」
「ま、性格的には一番人気だろうがな……」
ファリンとイレインがそう言うと、すずかはやや照れながら紅茶を飲み出した。五代はそんなすずかの反応に笑みを見せる。それに気付き、すずかは益々恥ずかしそうにするのだった。
そして、その流れで五代がいなかった間の話になり、それを五代は楽しく聞いていたのだが、ふとイレインが思い出したように尋ねたのだ。五代の昔話を聞いてみたいと。それにすずかやファリンも興味があったようで、話してくれるように頼んだ。
「……そうだね。俺、四人家族だったんだけど……」
そこから始まる五代の話。小学生の楽しい時期に父を亡くした辛い思い出と、恩師との約束やサムズアップの意味などの出来事。そこから中学や高校などの話をし、大学の話へ移り、五代は冒険話になった途端目が一番輝き出した。
外国での話や訪れた場所に関する知識や思い出。それらを臨場感溢れるように語る五代。それに三人も引き込まれていたのだが、ふと五代の顔が曇った。それは、何度目かの冒険を一休みし、一旦日本へ戻ったと言った瞬間だった。
まるで、それまで流暢に話していたとは思えない程、五代はぽつりぽつりと話していく。空港で迷子と出会った事や大学に忍び込んで友人の女性に冷たくあしらわれた事などは、まだ幾分か良かった。だが、話が長野の遺跡に行った辺りから、五代はまるで躊躇うかのような表情を見せた。
「……ここからは、クウガの話なんだ」
五代がそう言うと、三人はそれだけで大体を察した。クウガの話。それは、あの力を使わなければならない状況になったという事。それは、絶対に楽しい事ではない。五代が躊躇う理由はそこにあると、誰もが思った。
でも、それを止める事はしない。それを決めるのは五代だから。そう三人は考えていた。それを五代も悟ったのだろう。意を決したように話し出す。ただ、残酷な話や聞くに堪えないだろう部分は、意図的にぼかし、一条達を始めとしたクウガになったからこそ出会えた人達との話を中心にして。
自分に戦う必要はないと告げ、五代が戦う意思を明確に打ち出すようになった後は、全力でそれを支えてくれた一条薫。自分の体を検査し、常に警告と心配をしてくれた五代唯一のかかりつけ医師、椿秀一。クウガや未確認の研究をし、裏で支えてくれた科警研の榎田ひかり。
自分を未確認として撃った事を謝り、一条に負けない理解者になってくれた杉田守道。同じくクウガを仲間と認め、どこか憧れてさえくれた桜井剛志。中盤からは、誘導や作戦指示などで助けてくれた合同捜査本部の紅一点、笹山望見。
最後に、ビートチェイサーをクウガへ与える事を上層部に具申し、いつも寛大な配慮と思慮深い決断を下してくれた松倉貞雄。
それだけではない多くの人達との絆や協力があったから、五代は、クウガは未確認に勝てたと言い切った。自分一人では、守り切れずに死なせてしまったかもしれない人達がいただろうと、そう続けて。
「……俺、良かったと思ってるんだ……クウガになって」
「どうして? だって、五代さんは戦う事は嫌いなんでしょ?」
「……うん。でも、誰かがやらないといけなかった。それに俺が選ばれた。嫌な事もあったし、辛い事もあった。……でもね、だからこそ良かったって、思えるんだ」
―――一条さん達に会えたから。
五代はそう言って、黙った。それにすずか達も黙る。静寂が訪れる室内。秒針が刻む音だけが響き渡る……。そして、五代ははっきりとすずか達を見つめて告げた。
―――それに、あんな思いをするのが、俺だけで良かったって。
クウガにもし自分がならなかったら。もし、他の誰かがクウガになっていたのなら。そう考えると、五代は今でも怖くなる。決してうぬぼれではない。自分が一番クウガに相応しいなど考えた事もない。だが、唯一、唯一五代が断言出来る事がある。
それは、タグバとの決戦。あの時、凄まじき戦士でなければダグバには勝てなかった。自分は、憎しみではなく、みんなの笑顔を守る事だけを考えて変身出来た。それがあの力を制御したんだと、今でも思う。だからこそ、五代は思うのだ。自分で良かったと。
あんな想いを、感触を、苦しみを、痛みを、哀しみを、空しさを、誰かに押し付ける事なく自分が終わりに出来て。
得た物は多く、失った物は少ない。でも、五代はクウガの力をもう使いたくはなかった。”変身”。それを二度としないですむようにと、心から願っていたのだから。
だが、まだ邪眼を倒し切れてない以上、クウガの力は必要とされる。翔一のアギトの力もまた同様に。戦っても、倒しても、どこからか悪は現れる。そう五代の話を聞いた光太郎は悲しそうに言った。それでも、戦い続けるのが仮面ライダーなのだと。
五代がそれを聞き、尋ねた事がある。それは、光太郎よりも昔から戦っていた先輩ライダーの事。
終わる事のない戦い。変わらない世界。助けた命が、明日には消えるかもしれない。そんな状況で、自分以外の十一人は諦めずに戦い続けた。戦うためだけの生物兵器。そんな体にされても尚、彼らは人のために戦った。
五代は光太郎から簡単にではあったが、歴代ライダーの事を聞いた。改造人間。人でありながら、人でなくなった者。それが、仮面ライダーだと言われた瞬間、五代は言葉を失った。
クウガと同じだと思っていた。何か特殊な力で変身しているのだと。だが、違った。それが本当の彼らの姿なのだ。彼らの多くは望んでいないのに、その力を与えられ、異形の姿に変えられた。理不尽に人を捨てさせられた。
しかし光太郎は、言葉を失い、悲痛な表情の五代へこう言った。どこまで戦っても変わらないかもしれない。そう思った事もあった。だが、光太郎がある時そんな弱音を漏らすと、最初の仮面ライダー、本郷猛はこう言っていたと。
―――例え未来を変えられなくても、見過ごせない今を救えるのなら……俺は、戦うと決めた。
それを聞き、光太郎は改めて思ったのだ。仮面ライダーとは、今を救い、未来を守る者だと。例え、未来が変わらないとしても、いつかそれが変わると信じて戦おう。そう心に誓ったのだと。
五代はそう聞いた時、自分にはそれは無理だと思いかけた。だが、その言葉をよく考えた途端、無理と言えなくなった。
それは、自分の父が手紙の結びに必ず書いた言葉と、自分の信念に反する事になるからだ。いつか、世界中の人達が笑顔になれますように。それを思い出し、五代は光太郎達がそれを願って戦っている者達だと思い直した。
そして、自分も仮面ライダーを名乗った以上、簡単に投げ出す事はしたくない。そう、自分は何度も言ってきたのだ。自分はクウガなのだ。なら、必要とされる限り、やってやろう。自分だけが辛い訳じゃない。そう思えるから。どこかで自分と同じように哀しみながらも、拳を振るっている仮面ライダーがいる。そう、今の五代は思えるから。
「……さてと、じゃあそろそろ時間も遅いし、すずかちゃん達もお風呂入って寝た方がいいよ」
「うん。……五代さん」
「何?」
「クウガの五代さんも好きだけど、私はいつもの五代さんが一番好きだから」
そう言ってすずかははにかむと、少し早足で去って行く。それを呆然と見送る五代とイレイン。ファリンはどこか驚いている。そして、そこから立ち直り五代は小さく呟いた。
「奈々ちゃんと同じ、じゃないよなぁ……」
それにイレインが反応し、奈々の事を根掘り葉掘り聞かれる事になった五代。ファリンとイレインの二人に詰問されながら、五代は困った顔を浮かべるのだった……
様々な魔力光が飛び交う空間。それは全て同じ相手へと向かっていく。本来、魔法は全て非殺傷と呼ばれる状態になっていて、それを解除し殺傷設定と呼ばれるものにすると、同じ罪でも途端に罪状が重くなる。
それ故、余程凶悪な犯罪者でもない限り、設定を変更したりはしないのだが、この魔力弾は全てその殺傷設定であった。数十は軽く超えるそれを、避けもせず、その相手はそれを叩き落し、蹴り飛ばし、それを放つ者達の意識を奪っていく。
「な、何なんだ……一体、お前は何なんだ!?」
ついに自分一人となった男の問いかけに、眼前の相手は立ち止まり答えた。
「俺は、太陽の子。仮面ライダーBLACKRX」
「か、仮面ライダー? ま、まさか……あの仮面ライダーか!?」
「答えろ。戦闘機人を作り、その技術を知っている者はどこにいる!」
RXの問いかけに男は首を横に振る。知らない。自分はその技術を欲しがってはいたが、手に入れてはないと。それが嘘の類ではないと判断し、RXは分かったと頷いた。
そして、近くに落ちているデバイスを拾い上げ、強くある女性の事を思い描きながら告げる。
【フェイトちゃん、ここは完全に制圧した。後の事を頼む】
【分かりました。光太郎さんは一度戻ってください。今後の事も含めて話をしましょう】
RXは念話を使えない。なので、こうして相手がもっているデバイスを使い、別の場所で待機しているフェイトに連絡するのが常だった。あの後、フェイトに連絡したRXは、アクロバッター達の居場所だけでなく、フェイトの情報も頼りに、戦闘機人に関係ありそうな組織を片っ端から調べていた。
フェイトでは踏み込む事が出来ない状態でも、RXは関係なく踏み込み、こうして情報を聞き出す。そして、暴れた現場に調査中だったフェイトが気付いたように装い、逮捕する。そんな事を始めて、もう二週間になる。
フェイト達が来る前に、RXは素早く男を気絶させると、急いで現場を離れる。外に停めてあったアクロバッターに跨り、フェイトが用意してくれている仮住まいに向かう。途中で、貸し倉庫に寄ってアクロバッターを隠し、変身を解くのを忘れずに。
それは二台を隠してある貸し倉庫からそう離れていない場所にあるデイリーアパート。日雇い労働者用のそこを、フェイトは光太郎のために借りてくれたのだ。
「また情報無しか」
そう呟いて光太郎は部屋のドアを開けると、そこには一人の女性がいた。眼鏡が特徴の女性で、フェイトの補佐をしているシャリオ・フィニーノだ。
「お帰りなさい光太郎さん。フェイトさんは後十分程で来るそうです」
「そっか。で、シャリオちゃんはそれを伝えるためにわざわざ?」
「そうですよ。本当なら現場に行くはずだったんですけど、フェイトさんがここで念のために待っててって。光太郎さんが、良く念話を途中で切っちゃうからです。でも、意外と物がないですね。驚きました」
シャーリィはそう言って部屋を見渡す。それに光太郎は苦笑するしかない。何せ、ここには寝に帰るぐらいなのだ。部屋にあるのは、備え付けのベッドと小さな冷蔵庫ぐらい。それも、フェイトがベッドだけじゃ……と言って買ってくれた物。
しかも、ミッドの通貨を持たない光太郎は、それにいれる物も買えないので、中身の飲み物等もフェイトが用意してくれた物だったりする。光太郎はそこまでしてもらう訳にはと断ったのだが、フェイト達は頑として聞いてくれなかった。
調査が難航しかねないものを、光太郎は次々と解決に導いてくれているのだからと。そう言われては光太郎も何も言い返せないのだ。
「それで、どうかな。そっちの情報の方は」
「それがあまり。怪しい相手がいるにはいるんですが……」
「ジェイル・スカリエッティ……だね?」
光太郎の言葉にシャーリィは無言で頷く。広域次元犯罪者で、フェイトが追いかけている相手。おそらく戦闘機人にも関わっている可能性が高いとフェイトは考えていて、光太郎も何度か犯罪者相手に聞いた事があったが、一切情報が入らないのだ。
無理もないのだ。ジェイルは真司と出会ってからほとんど犯罪行為から手を引いていて、ゼスト隊に情報を渡した後は、最高評議会からの依頼も出来うる限り断っているのだから。
それを知らない光太郎達は、ジェイルの事を情報隠蔽に長けた相手だと思っていた。そして、少しシャーリィと話していた光太郎だったが、何かフェイトから連絡があったのか、シャーリィが急に立ち上がり、部屋を後にすると言い出した。
「どうしたの?」
「いえ、私は私で色々あるんです。フェイトさん、もう着てるので待っててください」
じゃあ、また。そう言ってシャーリィは出て行った。それを見送り、光太郎は腑に落ちないものを感じるも、フェイトから今後の事を含めた話を聞かなければと思い、その姿を待った。
すると、外からフェイトとシャーリィの話し声が聞こえてきた。本人達は聞こえないと思っているのだろうが、改造人間である光太郎の聴覚はそれをはっきりと捉えていたのだ。
「じゃ、後はお二人で」
「しゃ、シャーリィ。いつも言ってるけど、私と光太郎さんはそういう関係じゃないって……」
「ええ。だからこそ二人でどうぞ」
「シャーリィ!」
「私は今日の報告書を作成しますから」
そう笑って言いながら、シャーリィはフェイトに手を振って去っていく。ご丁寧にフェイトが乗って来た車を使って。これで、フェイトは必然的に光太郎に送ってもらうしかなくなると考えて。
シャーリィに車を降りて、歩いて行けとフェイトが言えるはずもなく、それを止めずにただ困ったようにそれを見送った。そして、ため息を吐いて光太郎のいる部屋を目指した。そこまで聞いて光太郎は苦笑し、冷蔵庫から缶ジュースを二本取り出す。
「お待たせしました」
そう言って入ってきたフェイトへ、缶ジュースが投げられる。咄嗟にそれを受け取るフェイト。それを見て、ナイスキャッチと笑顔で誉める光太郎。その笑顔をフェイトは少し嬉しく思いながら、光太郎の前に座った。
そして、部屋を軽く見回し、どこか苦笑するように呟く。相変わらず殺風景ですねと。それに光太郎も同じような表情で同意し、頷いた。
「まず、今回も無事に終わった事に」
「乾杯……ですね」
カツンと缶同士を合わせ、音を立てる二人。これも最近の決まり事。無事に終わった事を喜び、祝う。そんな二人だけのささやかな祝宴。
プルタブを開け、互いに口をつけて飲み始める。フェイトはコーヒー。光太郎はスポーツドリンクだ。基本冷蔵庫に補充されるのは、この二種類。光太郎の好みを知らないフェイトは、自分の義理の兄であるクロノを参考にした。
故のチョイス。クロノは基本コーヒー。スポーツドリンクは訓練などで失った水分を補充するための物で、クロノが好きという訳ではないのだが、光太郎としてはスポーツドリンクは有難かった。手軽に水分が補充出来るのは、変身して戦う自分にとってはうってつけだったからだ。
「……で、どうしようか」
「……他の管理世界にも怪しい組織はあります。でも、さすがに」
「俺は構わないよ」
「駄目です。今だって、光太郎さんに頼ってばかりですし……」
「でも……」
「それに! ……それに、仮面ライダーの力は、本当は人間同士の事に使う物じゃないはずですから」
フェイトのその言葉に光太郎は何も言えなかった。ただ、フェイトの思いは嬉しかった。簡単に人外の力に頼るのではなく、自分達で何とかしようと考える。それは、とても尊い想い。仮面ライダーに頼るのではなく、自分達で何とかしようとする心。
それを人が失わない限り、仮面ライダー達も諦める事なく戦えるだろう。人と自然が調和する世界。真の平和、それが訪れる日まで。
それからフェイトは光太郎にある事を頼んだ。それは、自分が保護する少年の事。自分は仕事であまり会えないので、有力な情報が手に入るまで、光太郎にその子の相手をして欲しいのだと。
それを光太郎は喜んで引き受けた。こうして、光太郎はミッドにあるハラオウン家へ居候する事になる。
そこで出会う少年、エリオ・モンディアル。その出生の秘密とフェイトの生まれが密接に関わっている事を彼が知るのは、これから半年後。とある研究施設へ乗り込む事になった時だった……
「なぁ、翔一さん。あんたの言ってたクロノって、クロノ・ハラオウンか?」
ある昼下がり。完全オフのティーダは、翔一が作ったナスの油炒めを食べながらそう問いかけた。他にもナスの味噌汁に、マーボーナス。ナスのおひたしが並んでいる。
その言葉に翔一はそれまでしていた掃除の手を止め、ティーダが告げた名前に、目を見開いて頷いた。
「そうそう! そうです! クロノ・ハラオウンです」
「……やっぱりか。あんた、一体いつ頃に知り合ったんだ?」
「どういう事です?」
ティーダは翔一へ説明した。クロノはもう一年以上も前から提督に昇進している。故に今まで時間が掛かったのだ。ティーダが念のためと過去の執務官まで当たったおかげで、それが判明したのだから。
そして、こう続けた。そんな事は知り合いならとっくに知ってるはずだと。そう言われ、翔一は驚いた。自分が知る限り、クロノは執務官だったはずだからだ。そして、何か嫌な予感したのだ。
それは、五代が自分よりも後から海鳴に現れたのに、自分よりも以前の時代からやってきていた事を思い出したから。だから、クロノの年齢を教えて欲しいと翔一は言った。それに妙なものを感じるものの、ティーダは答えた。
「確か……今二十一歳ぐらいだったか」
「そんな……俺が出会った時は十四歳でした」
「どういう事だ?」
「……信じられないですけど、俺、未来に来たみたいです」
翔一はそれからティーダに自分がクロノ達と出会った時の事を話した。それを聞いて、ティーダは驚愕する。局で知らない者はいない有名人の名前ばかり出てきたからだ。高町なのは、フェイト・テスタロッサ、八神はやて。更に守護騎士達の名前も三人程ではないが、有名だ。
もしかしたら、自分はとんでもない人間と繋がりを持ったのではないかとティーダは思った。だが、翔一の話を信じれば、彼は異世界に行き、そこから戻った際、五年以上の時を超えた事になる。
それは次元世界の法則から見ても異常としか言えないものだった。ティーダから今のはやて達の事を教えられ、現に翔一はどこか呆然としている。無理もないとティーダは思った。少女だと思っていた相手が、もう知らぬ間に大人に近くなっていた。そう考えれば、やるせない気持ちにもなる。そうティーダは思っていた。
「……ティーダさん。ホントに、はやてちゃんが、捜査官をしてるんですね?」
「……ああ」
「ホントに局で働いてるんですね?」
「あ、ああ……」
そこでティーダは気付いた。翔一の声が沈んでいない事に。それどころかむしろ嬉しそうにさえ聞こえる。気のせいか。そうティーダが思った瞬間だった。
「そっかぁ~、はやてちゃん歩けるようになったんだ。良かったぁ~!」
翔一はそう噛み締めるように言った。その顔はとても良い笑顔。その言葉を聞いて、ティーダは思い出した。八神はやては入局当初、車椅子のため自由に動く事が出来ず、苦労した事があるという話を。
つまり、翔一ははやてが第一線で活躍していると聞いて、はやてが自由に歩けるようになった事を察したのだろう。だからあそこまで聞いてきたのだ。本当にはやてなのかと。そんな厳しい職場で働いているのが、自分の知る少女なのかと。
(ったく、やっぱ翔一さんはどこかすげぇな)
現状に苦しむのではなく、現状を受け入れてありのまま動く。それを翔一は自然にやってのける。今だって、普通なら動揺し、困惑してしまうだろう。それを、翔一ははやての現状を想像し、心から喜んでいる。自分が逆の立場ならとてもではないが、真似出来ない。
そう考え、ティーダは翔一に告げた。伝手を使ってその誰かに連絡をつけるから、再会は近いと。それに喜ぶ翔一だったが、ふとその顔が曇った。その理由がティーダには分からない。
「どうした?」
「いえ……ティアナちゃんの事を考えて」
「……そういう事か」
翔一がランスター家に居候してから、ティアナは翔一の事をもう一人の兄と呼べる程に慕っている。訓練校へ入校した今も、最初の休みを使って翔一に会いに帰って来たぐらいだ。
そんな翔一がいなくなる。それを聞けば、ティアナが落ち込む事は確実だ。故に翔一は悩んでいた。自分を受け入れ、純粋に慕ってくれたティアナ。それがこれまで寂しい想いをしてきた事は、それとなく翔一も気付いている。
(ティアナちゃんに寂しい想いはさせたくないし、かと言ってはやてちゃん達にも無事を伝えたいし……どうすればいいんだ)
そう翔一が悩んでいると、ティーダが気楽に告げた。悩む必要はないと。ティアナには自分から説明しとく。だからあんたは会いに行けと。
その言葉に翔一は少し考えたが、頷いて感謝を込めて頭を下げた。それに苦笑するティーダ。感謝するのは自分だと。今まで家事やティアナの事なんかを面倒見てもらったんだからと。
それに、自分が手間取ったせいで、一年近くも時間が掛かったのだから。そう告げて。それに翔一は首を横に振る。自分がちゃんと名前を教えていればもっと早く分かった事だからと。
「たく、あんたも大概だな」
「すみません」
「いいさ。ただ、一つ頼みを聞いてくれないか?」
「何です?」
「たまにでいい。ティアナに会いに行ってやってくれ」
そうティーダはどこか照れくさそうに告げると、視線を外へ移す。翔一はそんなティーダに笑顔を見せると、頷いてサムズアップを送った。それを横目で見て、ティーダも小さくそれを返す。
次の日、ティーダに連れられて翔一は管理局本局を訪れる。そこで青年になったクロノと再会し、そこからはやて達と引き合わせられる。はやては涙を溢れさせ、翔一の面倒を見ていてくれたティーダに何度も感謝の言葉を掛けた。
魔法世界帰還から一年弱。やっと出会えた翔一とはやて。こうして翔一は少女達と再会を果たす。
そして、ついに戦士に渡される想いと力。今はただ、その喜びのみを誰もが噛み締める事になる……
ジェイルラボ 廃棄所。ドゥーエは小さなケースを手にそこを訪れていた。目的は一つ。自分の手にしたケースを捨てるためだ。中身はジェイルの受精卵。他の姉妹達同様に、彼女もそれを廃棄する事になったのだ。
そして、ケースを安置し、来た道を戻ろうとする。だが、その視線がふと止まる。それはある一つのケースへ注がれている。中にあるのは、不気味な生物。人型だが、どこか醜悪だ。
「ドクターの研究素体のなれの果てかしら? まぁ、いいか。あまり気持ちの良い物でもないし」
そう言ってドゥーエは興味を無くし、歩き出す。そして、ふとある事を思い出すのだ。ウーノ達の廃棄した受精卵。それを入れたケースはどこにあったのだろうと。だが、それをどうこうしたい訳でもないので、すぐに意識からそれは消えた。
ドゥーエの足音が遠ざかる。それと同時に先程の生物が微かに動き、その腕らしき物から触手が伸びる。それがドゥーエが置いたケースへ入り込み、中の受精卵を取り込んだ。
それに呼応するように生物が痙攣する。そして、低く不気味な声が誰もいないはずの空間に響く。
―――これで揃った……
その声を聞く者はいない。それは、蠢き始めた闇の産声。今しばらく続く平穏。その裏で、静かに悪が目覚めようとしていた……
ドゥーエが戻り、数日が経過した。この間に、変化した場所であるキッチンや男湯などを見て、ドゥーエが告げた感想は一言。
―――ここ、研究施設でしたよね?
それに真司は頷いたが、ジェイルがそれを否定した。ここはもう研究施設ではなく、自宅だと。それに真司はやや意外そうにしながらも、嬉しそうな笑みを見せた。ドゥーエはそんなジェイルと真司の反応に苦笑し、改めてジェイルへ告げた。
何でもっと早くに戻してくれなかったのかと。それにジェイルは本当に申し訳なさそうに謝った。真司も何となく空気を読んで頭を下げた。それにドゥーエは内心微笑みながらも、表面上は渋々といった感じで許した。
そして、時刻は夜。夕食も終わり、後片付けも終えたナンバーズは姉妹揃って入浴中。総勢十二名の大所帯だが、それを許容出来るぐらいに女湯(温水洗浄室とはもう呼ばない)は広くされていた。
これも真司の提案。一度に全員が入れて、尚且つ洗い場もそれを考慮してやるべきだと。まぁ、真司の監修が入った時点で、どこか銭湯のような作りと雰囲気になったのは否めない。しかし、それを指摘出来る者は、ここにはいなかった。
「にしても、兄貴ってやっぱ強いんだな」
「そうッスね~。アタシとノーヴェの二人でやっとッスから」
「当たり前だ。真司は私とトーレを相手に引き分けるのだぞ?」
湯船に浸かりながら言い合うノーウェ(二人は良く一緒にいるのでこう略される)コンビの言葉に、チンクがどこか誇るようにそう言った。そう、今日は真司との訓練を二人が担当したのだ。
その前日はオットーとディード。真司の強さをデータでしか知らない妹達に、実際の強さを知ってもらおうとジェイルが企画した。結果は当然龍騎の勝利。だが、それは内容的にであって、実際は引き分けている。
セッテの時と同じで、真司はファイナルベントを封印したままで二人を相手に引き分けているのだ。それは真司が成長しているのもある。トーレやチンク、セッテやディエチとの戦いで真司自身も経験を積み、少しずつではあるが、その思考や技術を磨いていたのだ。
「それに、真司は未だに一度も見せた事のない姿を持っている」
「あ、サバイブだよね。あたしも見た事ないな」
トーレのどこか悔しそうな言葉に、セインが同じように悔しそうに応じる。その悔しさの質が、二人はまったく違う所が実にそれらしい。
「一度、ゆりかごの中で使ったって聞いたけど?」
「うん。でも、それは誰も見てないんだ。真司兄さん、自分一人で片付けちゃって」
ドゥーエの声にディエチがそう返した。今でも思い出せるのだ。それを聞いた時のジェイルの必死さを。何せ、真司を冗談抜きに絞め殺しかけていたのだから。もう少しトーレ達が来るのが遅れたら、真司は死んでいたかもしれない。
そんな事を思い出し、ディエチは苦笑した。
「でもぉ~、シンちゃんが言うには、サバイブは強力すぎてあまり使いたくないそうですよ~」
「それに、真司さんは本当なら変身もあまりしたくないらしいわ。あれは、誰かを守るための力だからって」
共に体を洗いながら、クアットロとウーノが告げる。彼女達二人は、真司の事情をそれなりに聞き出し、出身世界の特定などをしていた関係から、真司の内面的な事も他の姉妹に比べると詳しいのだ。
そんな二人の言葉に、どこか感心したように頷いている者がいた。セッテだ。
「さすが兄上。力は誇示するものではなく、他者のために使うものと言っているのですね」
「真司兄様……優しいですからね」
「そう言えば、お兄様が言っていたわ。本当の強さは、誰を傷付けるものじゃないって」
セッテの言葉に続き、双子がそう告げる。この三人は、真司が教育担当となっているため、接している時間が他の姉妹に比べると多い。そのため、起動して真司の影響を受けるまでが非常に早かった。
セッテは真司から掃除を、オットーは洗濯を、ディードは炊事をそれぞれ教え込まれていて、良く暇さえ見つけるとラボの家事をしている。最近では真司よりも家事をするようになり、真司は三人のおかげで幾分か楽が出来るようになっていた。
「……ホント、真司君って凄いのね」
口々に真司を誉めるような事を言っていく姉妹達を見て、ドゥーエはどこか呆れたようにそう呟くのだった……
「っくし!」
「……押さえてくれないかね」
「仕方ないだろ。生理現象なんだから」
同じ頃、真司達も男湯にいた。中々男二人だけで話す事が出来ないので、風呂は貴重な男だけの空間だった。ここで二人は他愛もない事や割と真剣な事まで色々話していた。
ちなみに今日は、ナンバーズの今後の事。ジェイルの計画が成功すれば、元から犯罪者であるジェイルはともかく、ナンバーズはほぼ何の罪もなく、世間に出て行けるだろう。その後の事を二人は話し合っていた。
「で、何だっけ?」
「体の事をどうするかだよ。中々理解され辛いだろうしね」
「だよなぁ。でも、男ってさ。俺もそうだけど、美人に弱いから気にしないと思うけど……」
真司の言葉にジェイルはどこか楽しそうに笑い、頷いた。確かに真司は単純そうだ。そう言って。それに真司は少し憮然とするも、自分で言った手前何も言い返せないまま黙る。
そして、そんな真司にジェイルは嬉しそうにこう告げた。そんな考えをしてくれる相手が、きっとどこかにいるだろうと。その相手と巡り合い、愛し合う事を祈るのみだ。そうジェイルは笑って言った。
その父親らしい発言に真司が感動。俺もそれを心から願うと力強く告げる。すると、ジェイルがそんな真司を見つめて一言。
―――意外と近くにいると思うんだけどねぇ……
その言葉に真司は不思議そうな顔をするが、何か自分の中で納得出来るものがあったのか。真剣な表情で頷いてこう言った。
―――そうだな、近所で出会った人に一目惚れってあるもんな。
その答えにジェイルは呆然。真司は尚も続ける。社会に出て初めて出会った相手に恋する事は有り得る。意外と自分の運命の人って、近くにいるものかもしれない。そう言った。
そんな真司の言葉を聞きながら、ジェイルは誰にでもなく小さく呟いた。これは相当手を焼くだろうな、と……
湯上りのナンバーズ。それぞれが寝間着に着替えるのだが、ここにも個性が出ていた。ドゥーエとクアットロはネグリジェ。ウーノとトーレは無地のパジャマ。チンクは三毛猫がプリントされた可愛らしいパジャマ。セインとウェンディはTシャツにハーフパンツ。ノーヴェはそんな二人をどこか嫌そうに横目で見ながらも同じ格好。
セッテはデフォルメされた犬の絵のパジャマ。オットーとディードは揃いの絵柄で、星や月がプリントされたパジャマと、それぞれ良く性格や思考が出ていた。
それに全員着替えると、揃って向かうのは食堂。水分補給をするためだ。そして、目的はそれだけではなく……
「で、ミサイルとかビームが一斉にさ」
「……それで良く無事でいられたね」
真司とジェイルが共にパジャマで話している。その手元にはスポーツドリンクが握られていた。そう、風呂上りに真司はジェイルと食堂で熱を冷ますためにこうして雑談するのだが、その内容はライダーバトルの事が多いのだ。
今もどうやらそれを話しているらしく、ジェイルがやや引きつった表情をしていた。ちなみに真司が話していたのは、ゾルダと呼ばれるライダーの話。その重火力を想像し、ジェイルは軽く眩暈を感じていた。
キッカケは、ディエチのIS強化案。現状、チャージ等で時間が掛かるため、もっと別の方法や強化法はないか。そう聞かれた真司が、砲撃でゾルダを思い出して話していたのだ。まぁ、途中からはディエチの事そっちのけで、ジェイルが色々と質問していたが。
「にぃにぃ、アタシらにも聞かせて欲しいッス」
「おっ、何だ。みんなも熱冷まし?」
「ええ。だから私達にも話を聞かせて頂戴」
ドゥーエがそう言うと、セインやウェンディが首を縦に振る。セッテやノーヴェなども同じようで、話して欲しそうに真司を見つめていた。それに真司は少し嬉しく思い、咳払いをしてから話し出す。それは、真司が小さい頃読んだマンガの話。
人に創られた存在のヒーローが、生みの親である博士の娘などと共に、世界征服を企む悪の科学者と戦うストーリー。だが、ヒーローは完全機械だった故に、良心回路と呼ばれる心みたいな物を組み込まれた。しかし、それは未完成で不完全な物だったのだ。
そのため、ヒーローは幾度となく苦しむ。良心の呵責とでもいうのか。悪い事と善い事。その区別があまりに曖昧で、時には善が悪になり、悪が善となる事もある。そんな人間の世の不思議さに翻弄されながら、ヒーローは成長していく。
生みの親の博士を非情な相手に利用され、敵の中に人質として使われたり、やっとの思いで倒したはずの悪の科学者が生きていて、それに対抗するようにヒーローの兄が眠りから目覚めるなど。真司は幼い頃の記憶を辿りながら話していく。
それを聞きながら、ジェイル達はその世界へ引き込まれていく。機械の体。でも、心は人間と同じで、迷い悩み苦しむ。兄弟とも言える相手を、敵として倒さねばならない現実。それは、まるで道を間違えた自分達にも近いものがあるように感じたのだ。
そして、話はいよいよ終盤。ヒーローが仲間や兄弟を人質に取られ、絶対絶命の危機となった。だが、そこで真司はそれまでの熱が消え失せる事を告げた。
「……でも、この後どうなるか知らないんだよ。俺、何故かそこで読むのやめちゃって」
それに全員が大ブーイング。続きが気になるとセインが言えば、眠れなくなるッスとウェンディが続く。きっと救出して大団円ですよねとオットーが尋ねれば、誰かまたヒーローの危機を助ける存在が来るんですとディードが告げる。
ノーヴェは頭を掻き毟るようにしているので、どうもイライラしているようだ。チンクはそんなノーヴェを宥めると共に、必ず報われるからと諭している。セッテはトーレに良心とは具体的に何だと聞いて困らせ、ディエチはクアットロと自分達がそうなったら嫌だと言い合っているし、ウーノはジェイルに、決してもう悪事に手を出さないようにと改めて言い聞かせている。
「……それ、救いがなかったんじゃない?」
そんな中、ドゥーエが告げた一言に全員が止まった。多くの者がそんな事言うなと言いたそうな視線を向けるが、真司はその言葉にどこか考え、そうかもしれないと肯定した。
「それも一つの結末かも。でも、でもさ」
「何?」
「救いがないとしても、それでもヒーローは戦ったはずだ。だって、何もしないで終わる事が一番嫌だから、さ」
真司はそう自分の手をじっと見つめて言い切った。その何ともいえない雰囲気にジェイルを除いた全員が見入った。それを知ってか知らずか、更に真司はこう続けた。
―――それに……やらなきゃ、何も変わらないから……
その自分に言い聞かせるような言葉は、普段の真司にはない力強さがあった。誰もが言葉を失う中、ジェイルだけはそれに頷いて、周囲に告げた。
「さ、そろそろ寝ようか。あまり体が冷えると風邪を引くしね」
その言葉にもっともだと全員が動き出す。口々に就寝前の挨拶を交わし、それぞれの部屋へ戻っていく。それを見送り、真司も部屋へ戻っていく。ジェイルも真司を見送って、自室へと戻る。そして、ジェイルはベッドに座ると、小さく呟いた。
―――変えられる力、それを必ず君に渡してみせるよ。友人として、ね。
救いがないとしても、変わると信じて戦うと告げる男。それを聞いて、その力を授けると誓う男。
本来ならば交わるはずのない道が交錯する時、龍は炎だけではなく、爪を得る。友と言う名の強き力を……
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空白期も、後僅か。StS編は、ある意味怒涛の展開かと。
StSは、龍騎が活躍予定。RXは言うまでもないです。クウガとアギトは……未定。
機動六課は、かなり凄い事になります。