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不正融資でリベート2億円 詐欺で起訴のみずほ銀元行員の素顔

 メガバンク行員が自ら知人に融資を持ちかけ、不正に得た融資の約半額をキックバックさせる−。東京地検特捜部が摘発したみずほ銀行元行員の不正融資事件は、元行員が詐欺行為を主導した構図が浮かんだ。近年、三井住友銀行や三菱東京UFJ銀行などで行員と融資先企業との癒着が発覚し、一部は事件化したが、捜査関係者は今回の事件を「より悪質なケース」と指摘する。その中身とは…。(上塚真由)

 ■実行された億単位の融資

 詐欺罪などで21日に起訴されたのは、みずほ銀行元行員の武田広人被告(35)ら。捜査関係者らの話を総合すると、事件は次のように進んだ。

 「カネを借りないか」

 平成20年5月ごろ。コンサルタント会社を経営する宮田誠被告(66)は、仕事を通じて数年前に知り合った武田被告に、こう持ちかけられた。

 2カ月ほどたった7月には、武田被告からの話はより具体的になった。「融資額は3億5千万円」。宮田被告の会社は資本金1千万円に過ぎない。「そんな大金は借りられませんよ」と答えたが、武田被告からは「大丈夫。言うとおりにすればいいから」と言われた。約3億5千万円の融資が成功すると、10月にはさらに約1億5千万円の融資が実行された。

 ほぼ実体のない会社にどうやったら、億単位の融資を実行できるのか。

 武田被告らは、宮田被告の会社が1千万円の売り上げしかないのに、約60億〜72億円の売り上げがあるように虚偽の決算報告書を作成し、確定申告書や税務署の証明印も偽造。みずほ銀行にこれらの書類を提出し、融資を引き出していた。

 税理士の吉野道明被告(48)の役割は税務書類の偽造だった。

 融資後も、用意周到だった。武田被告は5億円のうち5千万円を、みずほ銀の宮田被告の会社名義の口座に入金し、利子分の支払いに充て、不正融資の発覚を防いでいた。

 残り4億5千万円は、武田被告と宮田被告で2億2500万円ずつ山分けした。武田被告は、6千数百万円の東京都墨田区の高級マンションを現金で購入するなど、キックバック分を私的に流用させた。

 武田被告にはほかにも不正融資にかかわった疑いがあり、捜査関係者の一人は「詐欺師が行員になったかのようだ。大手銀行にこんな行員がいたとは…」と驚きを隠さない。

 ■成績優秀者として表彰も

 不正融資の疑いが発覚したのは、今年夏ごろだ。武田被告が代表を務めるコンサルタント会社「Y.M.T」(東京都墨田区)に国税当局の査察が入り、複数の企業から多額の資金が流れていることを突き止めたことが発端だとされる。

 武田被告は立教大を卒業後、平成10年に入行。八重洲口支店などをへて、19年8月から築地支店渉外課課長代理となり、21年9月に自主退職した。

 「一人で大手家電販売企業の新規融資を取ってきた」

 「半年で新規の融資を20件取った」

 みずほ銀関係者によると、仕事ができると評判の行員だった。成績優秀者に贈られる「みずほアワード」という賞を十数回も受賞していたといい、「一度受賞できたら、それだけで自慢できる。十数回も取る人なんて聞いたことない」(同関係者)。

 一方で、別の行員は「全く協調性がなく、一匹狼タイプだった」と話す。「課長を飛び越して、上の副支店長や支店長とやり取りをして決裁を取ることもあった」とも明かす。

 東京・銀座の高級飲食店などで豪遊する姿もみられ、「普通の行員の収入では考えられない派手な生活を送っていて、国税に目を付けられた」と話す関係者もいる。

 ■突かれた制度の“穴”

 なぜ、みずほ銀は約600倍もの売り上げの水増しを見抜けなかったのか。審査態勢のずさんさも指摘されている。

 捜査関係者やみずほ銀関係者によると、武田被告が行った融資は、担保や保証人が必要のないものだった。また、融資額によって決裁者が異なり、「5億円以下」は支店長決裁で済み、本部の審査部のチェックはなかったという。

 「武田さんはかなり仕事ができたので、支店内では『おまえの持ってくる案件なら安心だ』と書類を全面的に信用して決裁していたという話があった」と証言する行員もいる。

 新規融資する際は本来、税務署のハンコがある正式な決算書類が必要だが、「そこまでしないといけないのか」と提出を渋る中小企業もあり、実際は、融資先企業の申告に基づいて書類を作ることも許されていたという。

 ある行員は「粉飾決算を防ぐため数年前から書類のチェックが厳しくなったが、実際は上司に『書類を出したがらないお客さんなので』といえば、申告に基づく書類でも通用した」と話す。武田被告は、こうした制度の“穴”を突いて不正融資を繰り返した可能性がある。

 ■問われるメガバンクのずさんな審査態勢

 決算報告書を偽造する手口は、21年に警視庁に摘発された三井住友銀行の融資金をめぐる詐欺事件と同様だ。メガバンクの行員の犯罪は後を絶たない。

 元行員(45)は、不動産会社「コシ・トラスト」社長(42)とともに、総額計約4億5千万円の融資金を詐取したとして起訴された。

 警視庁の調べなどによると、元行員はコシ社社長の申し出に応じる形で、月30万円のマンションの家賃を肩代わりさせ、1回8万円近くの飲食・風俗接待を受けるなどした。その見返りに、湯水のように融資し、コシ社への融資総額は5年間で612億円に上り、164億円が焦げ付いた。

 また、東京三菱UFJ銀行でも、21年の巨額脱税事件で逮捕された宗教法人代表側への地上げ資金をめぐる融資の問題が発覚した。摘発されなかったものの、元支店長が宗教法人代表から高級腕時計を受け取っていたほか、元最高幹部も接待を受けるなど“癒着”が問題視された。

 共通するのは、借りる側から積極的に働きかけを受け、融資を実行している構図だ。これに対し、みずほ銀の武田被告は自ら融資を持ちかけ、主体となって融資金を引き出している点で大きく異なる。

 みずほ銀で今回、判明した不正融資について「コシ・トラスト事件とは正反対の構図。行員が主導的に行った点で悪質性は高い」と指摘する捜査関係者もいる。

 今回の事件でみずほ銀は詐欺の「被害者」だが、メガバンクのずさんな審査態勢、行員のモラル低下が改めて問われる形となった。

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