孤立する中国…通用しない刺激回避論 「同志」ロシアも離反
産経新聞 12月23日(木)7時57分配信
【ニューヨーク=松尾理也】朝鮮半島情勢をめぐって招集されながら物別れに終わった国連安全保障理事会の緊急協議は、さまざまな場面で顕在化しつつある中国の国際社会からの「孤立」を明確に印象づけた。非公開で行われた協議の内容を追ってみると、従来は「同志」のはずだったロシアなどまでが意見を異にする中で、かたくなな姿勢を強めるばかりの中国外交の現状が浮かび上がる。
複数の外交筋によると、19日に開かれた緊急会合の冒頭でロシアは、朝鮮半島情勢について「休戦協定の成立以来、前例がないほどに緊迫しており、世界がここ数十年、目撃したことのない規模の悲劇を招く可能性がある」と、強い表現を用いて憂慮を示した。
「双方に最大限の自制を求める」との声明案を事前に提示していたロシアだが、「侵略者(北朝鮮)と犠牲者(韓国)とを同列に置くのはとうてい容認できない」(フランス)などの強い反対が出ると、むしろそうした反応を織り込み済みだったかのように、対北朝鮮非難の盛り込みにも同意したという。
だが、中国は当初から議論そのものに消極的なようすだった。中国は「非難」という表現、そして「延坪(ヨンピョン)島」という地名についても声明での使用を拒否。さらに、国連事務総長名で発出済みの砲撃非難声明を「支持する」という形にとどめる妥協案をも拒絶した。
一方、「北朝鮮に対する明確な非難が必要」とする国は日米英仏にとどまらず、多くの非常任理事国にも広がっていった。
こうした中で、一部から最終的な妥協案として「11月23日の砲撃」とだけ表記し、「北朝鮮」という国名も「延坪島」という地名も盛り込まないという苦肉の策が打診された。中国は「議論することには同意する」と述べたものの、議長のライス米国連大使が本国から了解を取るよう求めたところ、最終的に中国から回答がないまま、物別れに終わったという。
今回、日米とは立場が異なるものの、声明発出という明確な目的を持ち、実現のための妥協の用意をして外交交渉に臨んだロシアに比べ、中国は終始受け身の議論に終始した。
ある外交筋は「刺激を避けることが半島の安定につながるという中国の論理は機能していないとの認識が広がっている上に、中露が一枚岩ではないことも露呈し、中国の孤立が顕著になっている」と指摘している。
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だが、中国は当初から議論そのものに消極的なようすだった。中国は「非難」という表現、そして「延坪(ヨンピョン)島」という地名についても声明での使用を拒否。さらに、国連事務総長名で発出済みの砲撃非難声明を「支持する」という形にとどめる妥協案をも拒絶した。
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最終更新:12月23日(木)9時16分
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