口蹄疫:同じ過ちを繰り返す政府

今年初めと同様、農場主が海外旅行後に発生

 史上最悪の水準で広まっている口蹄(こうてい)疫が、今年初めに2回発生したときと同様の経路で感染、拡大しており、政府当局の防疫に対する甘さが指摘されている。

 慶尚北道安東市から始まった口蹄疫は、最初に感染した養豚場の主が今年11月初め、口蹄疫が発生していたベトナムに行ってきたことが原因とみられている。今年4月に仁川市江華郡で発生した口蹄疫も、農場主が口蹄疫危険地域の中国に旅行し、そのまま農場に戻り発生したという。さらに、今年1月に京畿道抱川で発生した口蹄疫でも、最初に発生した農家の中国人労働者が中国に帰省し、戻ってすぐに勤務を開始していたことが分かった。

 これに対し防疫当局は、今年5月から、畜産業従事者が海外旅行に出掛けた場合は申告し、消毒を受けるようにする検疫管理システムを導入しているが、強制事項としていないため、予防効果が得られていない。畜産業従事者による海外旅行の申告と消毒を義務化する「家畜伝染病予防法」改定案が今ごろになって発議されたが、これすらも国会の予算案強行処理問題により、年を越してからの審議となった。

 韓国国内で口蹄疫が拡大する経路も毎回似通っている。

 今回は、口蹄疫が発生した京畿道坡州市の農場を訪問し食肉処理車両が高陽市の韓牛(韓国伝統の肉牛)農場を訪問した後、この農場でも口蹄疫が発生した。

 今年5月に仁川市江華郡で発生した口蹄疫が忠清南道青陽郡の畜産技術研究所にまで拡大した際にも、口蹄疫発生地域を訪れた畜産車両がほかの農家を回る中で、口蹄疫ウイルスを媒介した、という調査結果が出た。政府は全く同じ失敗を繰り返していることになる。

 さらに口蹄疫の危険地域を旅行して帰国し、申告や消毒を行わない農場主たちの無責任な防疫意識も問題視されている。

崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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