ここから本文エリア 大分パルコ撤去工事で交渉難航 残留する店の内装めぐり2010年12月23日 来年1月末に閉店する大分パルコ(大分市)の撤去工事を巡り、ビル所有者の大分開発(同)とパルコ側との交渉が難航している。大分開発は早期の商業ビル再開に向け、残留する店の内装を残してほしい意向だったが、パルコ側が条件として示した各テナントの営業継続に関する意思確認ができず断念。共用部分の「原状回復」の考え方にも両者で隔たりがあり、閉店が間近に迫った今も話し合いが続いている。 パルコ経営企画室・広報担当によると、各テナントの内装はそのテナント自身の資産。大分開発から「内装を残したまま賃貸借期限の4月末より前に引き渡してほしい」との申し出があり、どのテナントが残るかどうか確認して「テナントと合意が取れれば協力できる」と回答。しかし、大分開発側が合意を得られず、引き渡し時期の前倒しを断念したと伝えてきたという。 大分開発の担当者は取材に対し、「合意確定に必要な店舗図面などの資料をパルコからもらえなかったことも原因。そもそも、後継ビルのオープン時期を確定できない状態で、各テナントに残るかどうか判断してもらうのは難しかった」と話す。パルコ広報担当は図面に関し、「売り場面積から収益性などがわかる。守秘義務がある資料なので出せない」としている。 各テナント以外の共用部分の原状回復については、パルコ側は「(天井や床などをすべて外した)スケルトンにして返すのが普通」としているが、大分開発側は「オープン時には天井も床もあったはず。すべて壊されて一から工事するとなると、再開がますます遅れる」と主張。交渉が続いているという。 大分パルコはJR大分駅前の一等地にあり、同市が市民に募集した2010年の「大分市10大ニュース」では、パルコ閉店が1位に選ばれた。 釘宮磐・大分市長は22日の定例記者会見で「このままでは大分市の玄関口でシャッターが長期間閉まることになる」と危機感を強調。交渉の難航については「(パルコが)意地悪しているように見える。再考を促したい」と話した。さらに、パルコに直接言いに行かないかどうかを記者に問われ、「私が行って解決できるなら躊躇(ちゅうちょ)しない」と答えた。 パルコ広報は釘宮市長の発言について、「当社の主張がご理解頂けていないと思う。テナントが残る残らないということを決めるのは当社ではないので、コメントしようがない」としている。(原篤司)
マイタウン大分
|
ここから広告です [PR] 比べてお得! |