ここから本文エリア 状況証拠の信用性 焦点2010年12月17日
舞鶴女子高生殺害 現場住民、心に傷 ■21日、地裁初公判 裁判官のみで審理 舞鶴市の朝来(あせく)川沿いで2008年5月、府立高校の女子生徒(当時15)の遺体が見つかった事件で、殺人などの罪に問われた無職中勝美(なか・かつみ)被告(62)の公判前整理手続きが16日、京都地裁(笹野明義裁判長)で終わった。21日の初公判では、被告側は無罪を主張し、検察側は状況証拠から有罪立証を目指すと見られる。悲惨な事件を経験し、今も傷がいえない地元住民は公判の行方を注目している。 女子生徒の遺体は、08年5月8日に見つかった。中被告は、わいせつな行為をしようとして抵抗されたことなどに腹を立てて殺害したとして09年4月に起訴された。その後、争点や証拠を絞る非公開の公判前手続きは約1年半、24回続いた。 検察側は、被告と女子生徒が遺体発見現場の方向へ歩いていたことを示す目撃証言や防犯カメラの画像などを立証の柱にする。弁護側はビデオ画像が不鮮明なことなどから証拠の信用性を争う方針だ。 21日午前10時からの初公判では中被告が認否を述べ、検察、弁護側双方が主張を明らかにする冒頭陳述がある。来月以降の9回の公判で、目撃者らの証人尋問を行い、3月23日に結審する予定だ。被告が起訴されたのは裁判員制度のスタート直前だったため、裁判官のみで審理する。 遺体の発見現場に近い市立朝来(あせく)小学校では、事件直後に始めた集団下校を今も続けている。畠中好野(よしの)校長(59)は「二度とあってはならないこと。子どもたちを守らなくてはと強く思う」と語る。月に1度の全校朝礼で児童に命の大切さについて話すことが増えたという。 現場近くの住民の一人は「いまも事件のことが頭から離れない。女子生徒と同じぐらいの年の孫に『夜は出歩かないように』と言い聞かせている」。別の住民は「あんな悲惨なことが現実にあったのかと考えると怖い」と話す。 一方、被告の当時の自宅の近所に住む男性(67)は、周辺の草刈りなどを一緒にするなど親交があった。「状況証拠だけで有罪になりうるのか関心を持っている。慎重に審理してほしい」と語った
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