タイ北部の町チェンマイには、山岳少数民族の村を訪ねるトレッキングツアーを催行する旅行代理店が無数にあります。私達はチャンダオの首長カレン族を訪ねるツアーに参加するため、数軒の代理店の料金を比較しましたが、結局宿のすぐ隣の代理店(名前忘れました)で、一人B700(=1,890円)で申し込みました。同じ内容でも日本人スタッフが居るところはB1,000以上でした。
このツアーは他にも以下のポイントに寄ってくれます。料金には、全ての入場料と英語ガイド、昼食、ドリンク(ミネラルウォーター1本)の代金が含まれています。
- オーキッド・ファーム(蘭農園)&バタフライ・ファーム(蝶園)
- Chiang Dao Cave(チャン・ダオ洞窟)
- モン族の村を訪ねる
- Thatonの丘からミャンマーとの国境を眺める
- 耳たぶが大きいラウ族の村を訪ねる
- 首長カレン族の村を訪ねる
ツアーは朝7:30出発の夜19:30戻りでした。ワゴン車には、他に韓国人の4人家族と、イギリス人カップルが乗り込みました。
注意:カーブが多いので、心配な人は酔い止めを飲みましょう。妻は途中で気分が悪くなり、同乗した韓国人の子供は途中で吐いていました。
オーキッドファームは、ガイドブックによるとマニアにはたまらないコレクションらしいですが、私達には5分で十分な場所でした。敷地が狭い上に見どころも少なく、すぐに見終わってしまいました。隣にはバタフライ・ファームが併設されていましたが、数匹の蝶がとまっているだけで5秒で出てきました。
Chiang Dao Cave(チャンダオ洞窟)は国王も訪れるほど重要な洞窟寺院です。洞窟内は広くずっと奥まで続いており、歩きやすいように蛍光灯がつけられていました。タイの仏像が所々に安置され、熱心なタイ人信者がお祈りをしていました。
モン族はモンゴル系の民族で、ラオスを経由してこの地に移り住んだようです。ガイドはしきりに「タイのものとは異なる住居です」と解説していましたが、これと言って感銘を受けることはなく、普通の集落と変わりないように見えました。
ミャンマーとの国境を見るために来たThatonの丘は、あんまり国境という実感がわきませんでした。眺めは良かったですが、そこから見える普通の山の嶺が国境でした。
最後にチャンダオの、大きい耳たぶをしたラウ族の村と、首長カレン族の村を訪ねました。たくさんの土産物屋が並ぶ駐車場から徒歩数分で着きます。ガイドが入場料を払って中に入ります。噂には聞いていましたが、まるで人間動物園でした。元々これらの民族は、観光客の見世物にするためにこの地へ連れてこられたのです。観光客が見学しやすいよう、これらの異なる民族の村を隣接してつくったようです。しかし、首長カレン族はここか、チェンマイから車で8時間かけて移動するメーホーソンでしか会えません。わざわざ苦労してメーホーソンへ行っても規模が大きいだけで、人間動物園の様相は同じのようです。
ラウ族の村では、村人数人が素朴な音楽を奏でながら踊りをしていました。ガイドが「皆さんラッキーです!新年なので踊りをやっていますよ〜。」と言っていましたが、前述の事情を知る私達はすぐやらせだと思い、少し引いてしまいました。だってこの民族の新年って西暦なの?しかも首長カレン族の少女が遊びに来ていました・・・。しかし、この民族の女性の大きな耳たぶにはビックリしました(右上写真)。大きな耳たぶは、大きな穴のピアスをしているからだそうです。
カレン族の村では、全ての首長族の女性が土産物屋を営んでいました。入場料を支払っているためか、物を買わなくても「写真を撮ってもいい?」と聞くと、カメラ目線で笑顔をつくってくれます(左写真)。彼女達は肌の色が白く、とても美しく見えました。首が長い方が美しいとされているようです。
この民族の男性は一人も見ませんでした。若い女性か少女だけ。この村では女性が生まれると喜ばれるそうです。なぜなら観光収入源だから。見世物としての人生しかない彼女達は、カメラを向けると笑顔をつくりますが、どこか寂しげ。笑顔をつくるようまだ教育されていない?幼い少女達を見ると、特にそう感じてしまいました。
見世物の村とは知ってはいたものの、美しい首長カレン族に一目会いたいと思って訪ねてきました。確かに彼女達は美しく、訪ねてきた甲斐があったと思いましたが、あからさまに見世物にされている様子を見ると何だか胸が痛みました。しかし、厳しい経済事情の中ではそれしか生きる道はないのでしょうか?・・・。
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