金正雲氏は中国のドキュメンタリー番組に夢中!?
韓国ではEBSが再編集
北朝鮮では最近、金正雲(キム・ジョンウン)氏が、中国で制作されたドキュメンタリー番組「大国堀起」に夢中だという。これは、米国の自由アジア放送(RFA)が22日報じた。金正雲氏はこの作品について、「自分の夢と重なっている」「何度見ても飽きない」などと語り、非常に称賛しているようだ。
「大国堀起」は2006年に中国中央電視台(CCTV)が制作・放映した計12回のドキュメンタリーで、米国、日本、フランス、英国など9カ国が先進国に成長するまでの過程を描いている。韓国では07年に韓国教育放送公社(EBS)が韓国語のナレーションをつけて2回放映しており、北朝鮮ではこのEBS放映分を再び編集したものが出回っているという。
北朝鮮の内部事情に詳しい情報筋によると、この番組は北朝鮮では朝鮮労働党幹部の学習向けに再編集されており、番組の冒頭には「時事参考用」という字幕が映され、EBSという文字もそのまま残っているという。
この情報筋は、「『大国堀起』はDVDやUSBメモリーなどで広まっており、北朝鮮で大きな人気を集めている。金正雲氏も熱狂しているといううわさもあり、今も急速に広まっている」と語った。
RFAは、金正雲氏が「今やわが国(北朝鮮)も自主的な核大国となったため、人民の衣食住問題さえ解決すれば、“社会主義強性大国”が完成する」と述べたと報じた。北朝鮮当局はこのドキュメンタリーを通じて「強性大国」を宣伝し、いわゆる「金正雲氏による国家経営への意志」を広めるチャンスになると認識しているため、この番組の普及や視聴を取り締まっていないという。
しかしRFAによると、この番組を見た北朝鮮の知識人たちは北朝鮮の現状を批判し、「強性大国は荒唐無稽(むけい)な夢物語で、2012年までに北朝鮮がこれを建設できるなどとは誰も信じていない。そんなことより、配給をしっかりとしてほしい」などと語っているという。
ユン・イルゴン記者