ペットブームの昨今、人間に一番近い愛玩動物として犬や猫が愛育されております。
ペットフード工業会の2008年度推計によると、ペットの犬と猫は2684万頭いるといわれ、15歳未満の子どもの人口より多いのが実情です。
その反面、飼主の飼育管理の無知、飼育環境の変化に伴い家族同然として飼われていたペットが無造作に捨てられたり虐待を受けたりと被害にあっております。
遺棄された動物達は行政の保健所から動物管理センターに保護され、収容期間が過ぎれば殺処分の対象になります。毎年減ってはいるがその数、30万頭ともいわれています。
将来、日本を背負っていく子供たちにもこの現実を直視してもらい、命の尊さを教えていかなければなりません。
核家族になってからは、家族の絆が薄くなってきていると思えるのは、自己中心的な現代社会の風潮です。最近の悲惨な事件が後を絶たないのも現実です。
この時期だからこそ、親と子の絆をもう少し考えていかなければならないのです。
教育には、学校教育・家庭教育、それと地域教育があります。
子供の頃は、近所のおじさん、おばさんにも叱られたりしました。
また、誰にでも「おはよう」「こんにちは」と挨拶もしました。
その中で、人に迷惑を掛けてはいけないと教えられたものです。それが地域教育です。
今の社会で一番、欠如しているものです。
情操教育が徹底していれば、親子の絆、お年寄りを大切にする。他人にも優しくできる。動物たちを可愛がるし、命を大切に考える事ができる。
そう、思います。
そんな優しい世の中にしたいのです。
動物愛護及び保護の改革マニフェスト提案
目標
1.人と動物の共生を図り安心して暮らせる環境作りを目指します。
2.飼い主の飼育知識向上と飼育マナーの指導、向上。
3.動物繁殖業者への規制。
4.生体販売業者への規制。
5.実践的な動物愛護法の改正。
6.動物の遺棄、虐待の防止。
7.命あるものへの子供たちの情操教育。
改革案
動物の生命の尊厳性を尊重し、人間と動物とが安心して暮らせる世の中にするために、現行法(動物の愛護及び管理に関する法律)を改正する必要がある。
そのために、動物繁殖業者及び生体販売業者の規制を法整備し強化する必要がある。
また、同時に購入者への規制も必要となる。
動愛法の改正案
1.虐待の定義を細かく決める。(現行法では虐待の定義が曖昧なため摘発が困難)
2.狂犬病予防法の改正(毎年の予防注射義務を隔年とし接種義務違反者の摘発の強化及び実践。現行では違反者への摘発実施は殆ど行われていない)
3.繁殖業者への規制(繁殖規則及び定期検査の実施)
@ 近親交配や出産制限の規制(繁殖業者は、純血を守り、近親交配や出産制限の規制をする。母犬は年1回の出産及び高齢出産は7歳を限度とする)
A 出産頭数届出の義務化(出産毎に産れた頭数の届出を義務化し頭数の把握をする)
B 親犬の畜犬登録及び狂犬病予防注射、ワクチン接種の義務化。違反者の摘発。
C 繁殖場施設適正検査の実施(犬舎の大きさ、構造の検査、衛生検査、糞尿の始末、)繁殖場施設には、適正な細則基準を設け、年に1回の適正検査を受けるように義務付ける。(現状は不衛生な施設が多いが行政の立入りがない。親犬への狂犬病予防注射、登録を怠っている業者が殆どであり、法規制がありながら実践していない)
D 適正な基準とは、屋内施設で床をコンクリート等とし常に消毒や水洗いができる構造とする。また飼育犬舎は雌雄別とし1mx2m以上とする。また、逸走防止のため堅固な柵と施錠できる扉を設置する。(現実は衛生管理が徹底していない)
E 幼齢動物の販売規制(生体販売は生後60日以上とする。社会性を身につけるためには生後90日以上は親兄弟と過すのが理想。)
F 不用になった親犬は処分せず、一般へ里親募集及び動物愛護団体などに譲渡する。
G 上記規則違反者への罰則規定
4.生体販売業者への規制(生体販売規則の制度化)
@ 幼齢動物の販売規制(生体販売は生後60日以上とし、畜犬登録を実施して販売)
A 子犬を販売する際は幼齢不妊手術の実施。(国は助成金制度の導入をする)
B 販売時に畜犬登録鑑札及び狂犬病予防注射済証交付、ワクチン接種を義務付ける。
C 仕入れ頭数の制限及び競り市の規制。(現状では業者間の競り市で子犬を仕入れているが、販売規制がなく生命が物のように取引されている。行政及び獣医師が立入りの監視下で行い、1日の競り頭数を規制する。また、命あるものとしての扱いを指導、監視、監督し、感染症予防の為、獣医師による診察も義務化する)
D 購入者への講習の義務化。(購入者に対して、家庭環境、飼育場所の確認及び正しい飼育方法とマナーを順守させるため、講習を義務付け、終生飼養する誓約書の提出も義務化)
E 夜間深夜の店頭販売の禁止。(夜間深夜の販売は動物にとって虐待になる)
F ネットオークション販売の禁止。(愛玩動物は家族の一員となるので対面販売とする)
G
販売する動物の診察カルテの添付を義務付ける。(動物病院の診察記録カルテ(血液検査、フィラリア検査、便検査、その他感染症の有無チェック等)、親犬の写真や仕入れルート、仕入繁殖場の公開。)
H 上記規則違反者への罰則規定
5.購入者への規制
@ ペットを購入する場合、事前に飼育方法や飼育マナーを順守するために講習を受ける義務を課す。
A 家族全員の同意を必要とする。
B 終生飼養する旨の誓約書の届出を義務化する。
C 繁殖制限と病気予防のために去勢、避妊手術を励行する。(先住犬についても行う)
D 狂犬病予防注射義務以外に毎年、混合ワクチン接種、毎月、フィラリア予防薬投与の義務化。
E 万一、飼い主が飼育困難となり行政へ持ち込んだ場合、今後10年間の「ペット飼育禁止」とする。
F 上記規則違反者への罰則規定
6.その他の規制
・飼い犬、飼い猫の去勢、避妊手術の助成金制度の導入。
・飼い主のいない猫を「地域猫」として扱い、捕獲収容して避妊去勢 手術を施しその地域に戻す。(TNR活動の推進と義務化)
・行政による殺処分方法の改正(現行は安楽死ではなく苦痛を伴う窒息死である)
・全国の動物管理センター内にシェルターを設置し保護動物の収容施設とし地域の民間動物愛護団体及びボランティアと共に運営する。(収容動物の殺処分は行わない)
・管理センターを一般公開し全国の保護犬をネットワークで里親募集をする。
・公営住宅の入居者を条件付きでペット可とする。(条件として飼育者全員にてペット委員会を設置し飼育ルールを決め飼育マナーを順守させ、他の入居者への迷惑防止を考える)
・学校教育の中、愛玩動物などを学校に飼養管理し、子供たちに命の大切さを教え情操教育の一環とする。(以前は普通にその環境があったが現在はその環境にない。休校日にはPTA及び父兄が動物の世話をする。地域にある動物愛護団体やボランティアの参加も含む)
・アニマルポリスの設立。(世界の先進国と同様に動物虐待を厳しく取締り、刑事罰とする。動物虐待は人間への虐待、犯罪に進む可能性がある事が既に証明されている)
・犬猫税の導入。(動物の飼い主は飼育登録時に一定の犬猫税を支払う。その税収は動物保護や助成金に充当する)
・猫にも犬と同様の法規制を作る。
・その他、現行の動愛法の見直し(定義の曖昧さを明確にする)
動物たちにとって、あまりにも酷い現実が今の社会で起きています。
以上の提案を実践していけば殺処分は限りなくゼロに向かい、人と動物とが安心して暮らせる豊かな社会になり、世界の先進国として名実ともに動物愛護先進国となります。
平成21年12月1日
提案者
動物愛護団体「エンジェルズ」
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