「Dynamite!!」(31日、さいたまSA)
08年北京五輪柔道100キロ超級金メダリスト・石井慧(24)=アイダッシュ=が“K‐1の番長”ジェロム・レ・バンナ(37)=フランス=と総合格闘技ルールで対戦することが22日、都内で発表された。また、元大相撲の若麒麟こと鈴川真一(27)=IGF=が野獣ボブ・サップ(36)=米国=と、水野竜也(29)=フリー=がセルゲイ・ハリトーノフ(30)=ロシア=と対戦する。またK‐1ワールドGPで優勝したアリスター・オーフレイム(30)=オランダ=の参戦も決定した。
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サンタのコスプレで現れた石井は「なかなか次の試合が決まらなかったのでピザ屋で配達のバイトをしていて、終わってすぐ来たので」と石井節。K‐1ワールドGP優勝のベルトを巻いたA・オーフレイムを「来年そうなりたい。試合で取るわけじゃなく、こそっと(ベルトを)盗みにいきたい」と笑わせたが、あとはマジメだった。
総合格闘技デビュー戦となった昨年大みそかの相手・吉田秀彦以来となる大物との対戦がそうさせたのか。「バンナ選手はすごく好きな選手であこがれだった。やれることを光栄に思います。バンナ選手には感謝の気持ちでいっぱい。持ってる力を出し切って挑みたい」と、優等生発言だ。
とはいえ、バンナは総合の試合が4年ぶり6度目で石井より1戦少なく、一線級との対戦経験はない。01年大みそかには借金王・安田忠夫に大金星を献上した。本業のK‐1でも02年ワールドGP決勝でE・ホーストに左腕を折られて敗れてからは振るわない。1無効試合を挟んで4連勝と波に乗る石井なら、攻略も夢物語ではない。
大会を主催するFEGの谷川貞治代表によればバンナは水野戦が決まっていたが「バンナは(大みそかの格闘技イベントが初めて全国放送された01年に)メーンを張ってちょうど10年」と、注目を集める石井戦にスライドされたという。谷川氏が「そういう期待をしたい」と認めたように、石井に求められているのは安田がヒーローになったあの感動劇の再現だ。
石井も「総合の技術が上がったなって思われる試合がしたい」と、吉田に敗れた雪辱を果たしたい気持ちは強い。K‐1の番長を葬って、マット界のど真ん中に立つ。