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携帯ゲーム業界の深刻な問題を積極的に報道できないマスメディア

木走正水(きばしりまさみず)

提供:木走日記

携帯ゲームGREE「無料」CM取りやめ 消費者団体「アイテム有料で法抵触」申し入れで

2010.12.21 08:26
 一律に「無料」の音声が流れていた携帯電話向けゲームサイト「GREE(グリー)」のテレビCMについて、運営会社の「グリー」(東京都)が一部のCMで、「無料」音声を取りやめていたことが20日、分かった。GREEのCMをめぐっては「無料で利用できる範囲は限定されており、景品表示法に抵触する」として消費者団体「消費者支援機構関西」(大阪市)が10月、「無料」音声の停止を申し入れていた。
 
 CM総合研究所によると、10月までの1年間でGREEのCM回数(関東地域)は、全業種中最多の約2万4600回。一方、ライバルサイトの「モバゲータウン」も3位(約1万回)につけ、業界内のCM合戦が過熱している。
 
 グリーによると、全国的にテレビCMを変更したのは今月に入ってから。プレー開始時には利用料がかからないが、進めていくうちに有料の道具(アイテム)などが登場するゲームについて順次、「無料です」という音声をなくしている。それ以外のゲームのCMでは、これまで通り「無料」音声を流している。
 
 従来のCMでも「一部コンテンツは有料」という表示をしていることなどから、グリーは「違法性があったとは考えていない」(広報担当者)としながら、消費者に、より適切な理解を促す必要があると判断した。今回の変更については「社内検証の結果」で、消費者団体の指摘とは「関係ない」としている。

 急成長する携帯向けゲーム市場をめぐっては、GREEとモバゲーがシェアをほぼ二分する一方で、モバゲー運営会社の「ディー・エヌ・エー(DeNA)」が今月8日、ゲームソフト開発業者の「囲い込み」をした独占禁止法違反の疑いで、公正取引委員会の立ち入り検査を受けるなど、熾烈(しれつ)なシェア争いの弊害が問題視されている。
 
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101221/crm1012210829002-n1.htm
 「無料」とは名ばかりで、そのビジネスモデルの悪質さは明快であります。確かに会員になるのは無料ですが、無料会員のままでは有料のレアアイテム(貴重な道具)を購入できません。
 
 レアアイテムを入手すれば、例えばRPGゲームなら必殺の攻撃魔法の修得が本来の経験値を経ずに可能ですし、釣りゲームならレアな釣り竿を入手できれば超大物をつり上げることができる、つまりゲームを進めるにつれこれらのレアアイテムが欲しくなる巧妙な仕組みができています。

 アクションゲームの一部では序盤は無料でも難易度の高いステージは有料となるものもあります。
 
 結局、多くのユーザーは「無料」ゲームにカネを払うことになります。
 携帯ゲームにはまってしまった小学生や中学生が月額何万円もの請求を受け支払いに窮する例が続出しています。
 
 そもそも公正に考えてこのような仕組みのゲームを全面的に「無料」と広告することに問題はないのか、事態が深刻化する前にマスメディアが警鐘を鳴らすべき社会問題なのですが、マスメディアはこの携帯「無料」ゲームの問題でも沈黙を守っています。
 上記のような地味な事実報道に徹しています。
 
 コンビニ業界やパチンコ業界の暗部をタブー視するように、マスメディアはこの問題を積極的に取り上げることはできないのです。

 なぜか。
 テレビCM、特にスポット広告(番組の間に流される短いコマーシャル)の出稿が好調なのをモバイルゲーム各社のCMが支えているからです。
 
 電通が発表している月次単体売上高(前年同月比)の08年4月以降の推移をみると前半は低調な状況が続いており、特に08年11月から10年1月まで15カ月連続で前年同月を下回っていました。
 
 しかし、10年2月からは月次単体売上高の約50%を占めるテレビが前年同月比8.2%増となり、全体もプラスに転じました。
 
 10年3月のテレビは0.6%減と前年同月をやや下回ったものの、その後は4月が前年同月比4.4%増、5月が8.1%増、6月が9.6%増、7月が8.6%増と、コンスタントにプラスが続き、全体も回復傾向が続きます。
 
 テレビCMスポット広告が好調を取り戻したのは、実は大量の「無料」携帯ゲームの広告です

 下記のダイアモンド記事でも明らかなように、10年10月単月の関東地域でのテレビコマーシャル(CM)回数はGREEが約2800で1位、モバゲーが約2000で2位であり、600〜700回のセブン−イレブン(4位)、マクドナルド(6位)の3倍以上のCMが、洪水のように流れているのです。
公取立ち入り検査で露呈した無料ゲームの危うい収益構造
(「週刊ダイヤモンド」編集部 小出康成)
http://diamond.jp/articles/-/10513
 「無料」ゲームで高利潤を生んでいる携帯ゲーム業界が大金を惜しみなく広告費に投入、新規会員をかき集めているのです、「無料」ゲームのTVスポットがTVから洪水のように流れているのです。

 これではマスメディアが自分たちの利益のために、新たな被害者を作ることに片棒を担いでいるようなものです。
 
 コンビニ業界の問題もパチンコ業界の問題もマスメディアは決して報道しないことと同じ構造があると言えます。
 
 「無料」携帯ゲーム業界の深刻な問題をマスメディアは積極的に報道できないのです。
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木走正水(きばしりまさみず)

東京都在住のブロガー。政治経済、社会問題について分析。
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