【ソウル西脇真一】韓国海洋警察庁によると、18日午後1時(日本時間同)ごろ韓国中西部・於青島(オチョンド)の北西約130キロの黄海で、同庁の警備艇が違法操業中の中国漁船(63トン)を取り締まろうとしたところ、漁船が警備艇に体当たりし、はずみで転覆、漁船乗組員1人が死亡し1人が行方不明になった。海洋警察官4人も骨折するなど負傷した。
海洋警察は韓国の排他的経済水域(EEZ)内の現場で中国漁船約50隻が違法操業しているのを発見。警備艇が急行、1隻に乗り移ろうとしたところ、漁船乗組員が、鉄パイプを振り回すなど猛烈に抵抗した。警備艇に体当たりした漁船は転覆、乗組員10人が海に投げ出されたという。
海洋警察は行方不明者の捜索にあたる一方、経緯を中国政府に通報した。韓国外交通商省高官は在ソウル中国大使館に電話で、乗組員が死亡したことに遺憾の意を伝えた。AP通信によると、この海域では毎年300隻以上の中国漁船が韓国側に拿捕(だほ)されている。
毎日新聞 2010年12月19日 東京朝刊