東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

中国船、違法操業が横行 韓国は取り締まり強化

2010年12月20日 朝刊

 【ソウル=城内康伸】韓国西側の黄海で違法操業していた中国漁船が韓国海洋警察の警備艇に体当たりした事件で、海域を管轄する群山海洋警察署は十九日、二十日から違法操業の中国漁船を集中的に取り締まる方針を明らかにした。聯合ニュースが伝えた。警備艇十八隻やヘリコプター二機などが動員されるという。

 今回の事件は十八日、韓国中西部の於青島(オチョンド)北西約百十五キロ沖、韓国の排他的経済水域(EEZ)内で起きた。中国漁船が警備艇に突っ込んで沈没し、乗組員一人が死亡(当初は二人死亡と発表、後で訂正)、一人が行方不明のまま。乗組員が鉄パイプやこん棒で殴りかかり、海洋警察官四人が骨折するなど負傷した。現場は韓国北西部の仁川沖と南西部の木浦沖と合わせ黄海の「三大漁場」と呼ばれる魚種が豊富な海域。韓国メディアによると、違法操業する中国漁船の多くは山東半島から出漁。事件当時も五十数隻が違法操業していた。

 中国漁船の乗組員が激しく抵抗するケースも増えている。先月末には済州島沖で、乗組員による暴行で海洋警察官六人が負傷。二〇〇八年九月には、韓国南西部の全羅南道沖で海洋警察官が中国漁船の乗組員に鈍器で殴られ死亡した。同警察関係者は「乗組員の抵抗が日増しに激しくなっている」と危機感を募らせる。

 聯合ニュースは違法操業が後を絶たないのは、中国政府が黙認する上、韓国警察に検挙されて納める罰金より違法操業の収益が多いためと伝えている。

 

この記事を印刷する





おすすめサイト

ads by adingo