現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 裁判
  5. 記事

裁判員裁判の無罪判決、地検控訴 鹿児島・夫婦殺害

2010年12月22日15時56分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 鹿児島市の民家で昨年6月、老夫婦を殺害したとして強盗殺人罪などに問われた無職白浜政広被告(71)について、鹿児島地検は22日、死刑求刑に対し無罪を言い渡した鹿児島地裁の裁判員裁判の判決に事実誤認があるとして、福岡高裁宮崎支部に控訴した。控訴期限は24日だった。裁判員裁判で全面的な無罪判決に対する検察側の控訴は2例目。

 同地検の江藤靖典次席検事は「犯人性を認めなかった判決の事実認定に誤りがある」と控訴の理由を説明した。「裁判員裁判で示された国民の視点、感覚はできる限り尊重することを基本方針としているが、公益の代表者として証拠に照らし、看過し得ない誤りがある」と述べた。

 10日の判決後、検察側は現場の民家で数回にわたり補充捜査を実施した。控訴審の論点について、地検は「今後の立証の問題なので答えは控える」としたが、現場から見つかった指紋や掌紋、細胞片のDNA型が被告のものと一致したとの一審での主張を踏まえ、補強した立証をするとみられる。

 白浜被告は捜査段階から「現場には行っていない」と関与を否認し、無罪を主張した。検察側は、指紋などの証拠を柱に間接証拠の積み重ねで立証を行った。判決は、被告が現場に行ったことは認定したが、「本件程度の状況証拠で被告を犯人と認定することは、刑事裁判の鉄則である『疑わしきは被告人の利益に』という原則に照らして許されない」と判断した。

PR情報
検索フォーム

おすすめリンク

地検特捜部のエースに続き、元トップと元ナンバー2が逮捕された。検察組織を揺るがす事件の解明が始まった。

小沢一郎・元民主党代表を強制的に起訴すべきだと議決した検察審査会。市民感覚の逆襲が始まった。

国内最大手法律事務所の弁護士が得意分野の最新動向を分析


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介