大手電機メーカーの「東芝」は、想定どおりに需要が拡大しなかったゲーム機向けの高性能の半導体生産から撤退し、現在保有する長崎県の生産設備を「ソニー」に売却する方向で交渉を進めていることが明らかになりました。
東芝は、長崎県諌早市の工場で、家庭用ゲーム機「プレイステーション3」向けに高性能の半導体を生産しています。この半導体は、もともとソニーが東芝やIBMと共同開発したもので、情報の処理能力が高いことから、一時は「夢の半導体」とも呼ばれ、おととし、東芝がソニーから生産設備をおよそ900億円で買収していました。しかし、関係者によりますと、この半導体はゲーム機以外の家電などへの利用が想定したとおりには拡大しなかったことから、東芝はこの半導体の生産からは撤退する方針を固め、生産設備をソニーに売却する方向で交渉を進めているということです。一方、ソニーは、この生産設備を買い戻したうえで、需要が急拡大している高画質のデジタルカメラやスマートフォン向けの半導体の生産に切り替えて、国内での生産体制の増強にあてることにしており、近く双方が合意に達する見通しです。