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「殴打による傷と見て矛盾ない」安永さん事件で鑑定医 | ||
知的障害者の安永健太さんが警察官に取り押さえられた直後に死亡した事件で、特別公務員暴行陵虐致傷罪に問われた佐賀県警巡査長松雪大地被告(30)の第10回公判が21日、佐賀地裁(若宮利信裁判長)で開かれた。鑑定医2人が出廷し、遺体に残った打撲傷について、いずれも「拳での殴打と断定はできないが、殴打による傷とみて矛盾もない」と証言した。
鑑定人は、佐賀地検の依頼で司法解剖した佐賀大医学部(当時)木林和彦教授と、地裁が木林鑑定書に基づいて書類のみで鑑定依頼した長崎大法医学講座の中園一郎教授。
遺体の打撲傷は、右耳付け根の後部と首の右前、左胸の3カ所。木林医師はいずれの傷も「拳の殴打による可能性は否定できない」としつつ、「明らかに殴打によると認められる損傷はない」と証言。負傷した場面としては「自転車での転倒時よりも、取り押さえ時に警察官の手が当たった可能性が高い」と述べた。
中園医師は「法医学によって打撲傷の凶器までは特定できない」とした上で、拳による殴打と仮定すれば「皮下出血の範囲が狭いので、拳全面ではなく、一部が当たったとの限定的条件が付く」と証言した。 |
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2010年12月21日更新 |